スティーブンのブログ

あなたはカルロス・ゴーンにあらず

カルロス・ゴーン氏が法律上のトラブルに陥ったのは、変革をプッシュし過ぎたからだ、と言う人々がいます。彼らによると、ゴーン氏は、ルノーが日産をコントロールできるように2社の統合をやろうと無理をし過ぎて、日本という国では超えてはいけない一線を超えてしまったのだそうです。もしゴーン氏がもっと慎重に行動していれば、今のような窮状には陥らなかっただろう、というわけです。しかしこの説明は、正しいとは言えません。

私はゴーン氏を告発した人々が、ゴーン氏が社内で起こそうとしていた大胆な改革を阻止したいという思いに押されていたのではない、と思っているわけではありませんし、逆にこの件の背景にはそういった事情があったとしても不思議はないと思っています。しかし、ゴーン氏がこのような状態になってしまったのは、日本の理念などには何の関係もありません。あくまでも法律や道徳上の過ちを犯した疑いがある、というのがゴーン氏の問題なのです。

リーダーであれば誰でも中傷されることはあるもので、それは起こそうとしている改革が大きかろうが大したものでなかろうが、同じことです。改革に対する態度をはっきりさせなかったとしても、それによって受ける中傷の度合いが低くなることなどありません。そのようなことをすれば、結局他の人々が不満を募らせることになるだけでなく、ビジネスに最大の利益がもたらされないということにもなってしまいます。

リーダーが法を犯したり倫理にかなわないようなことを行ってしまうと、それは単にそのリーダーを中傷する人々に攻撃される格好の材料を与えてしまう結果となる。それはその中傷の原因がどのようなものであっても同じことだ。 Click To Tweet

ゴーン氏が実際に問われているような罪を犯したのかは不明ですが、もしそうだとすれば、告発を行った人々のその動機など、問題ではありません。日本の法律を犯したということを、ビジネスや文化などのせいにすることなどできないのですから。

ゴーン氏の日産での専制的な態度や浪費ぶりを見ると、日産の社員や一般の人々が同情心を抱けないのも理解できますが、私はある意味で彼のことを可哀想だと感じます。それは彼が日本で大きな改革を起こそうとしたよそ者であるからではありません。私の同情の理由は、日本の法律システムの中では、被告人の権利や立証責任が、他の民主主義国に比べ、驚くほど小さいからです。

あなたはカルロス・ゴーンではないのですから、自分の会社で行いたいと考えている前向きな改革に対する風当たりを恐れることなどありません。それはあなたを中傷する人が何人いようと、彼らがどれだけ必死になってあなたの改革を止めようとしても、同じことです。自分がビジネスにとって正しいと思うことをやれば良いのです。私が知っている素晴らしいリーダーの方達であれば、そうするでしょう。

彼らの中には、自分に反対する人々にわざわざ殴られるために武器を渡すような人はいません。私たちだって、そのようなすることをする必要はないのです。

在日米国商工会議所主催「Conversation with…」シリーズの次回のランチイベントについて、お知らせします。今回私がインタビューさせて頂くゲストは、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン株式会社代表取締役社長、ノルベール・ルレ氏です。このイベントは在日フランス商工会議所との共催で行われます。出席のお申し込みは、在日米国商工会議所と在日フランス商工会議所の両方で受け付けています。

詳細はこちらをご覧ください。お申し込みの締め切りは、1月31日(木)になっております。


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