スティーブンのブログ

この瞬間にもシェアを奪い取られてはいないか

私のクライアントより私の方が彼らのビジネスの素晴らしさについてうまく説明できる、と感じることが良くあります。彼らの中には、自分たちが顧客に提供することのできる戦略的な価値がどれ程あるかを殆ど理解していない人たちもいれば、その営業スタッフが滅多にその価値をちゃんと説明できていなかったり、理解さえしていなかったりすることもあります。

その結果、顧客に十分な代価を請求できないでいたり、レベルの低い購買者にセールスを行うだけにとどまったりしています。

ここで私の言うレベルの低い購買者とは、要求事項のチェックリストを使っていたり、他の人に頼まれて見積もりや提案書を集める仕事をしているような人のことです。彼らは提案書を受け容れることではなく、却下することが主な役割だと感じています。提案書を集めるその大元の理由であるはずのビジネスのニーズについて理解していることは殆どないので、もし営業スタッフが自社サービス・製品の価値を説明できたとしても、それがしっかり伝わるわけではありません。

価値とはいつでも顧客のビジネスを成功に導けるかどうかがポイントであり、提供する製品やサービス自体が大切なわけではない。 Click To Tweet

あなたから何かを購入することを検討している人が、必要事項やスペック、価格、納入のタイミングなどについてしか聞かないようであれば、価値について説明しようとするのは無駄なことです。その人にとって大切なのは自分のチェックリストであり、価値など意味がない可能性が高いからです。彼らは全てをモノのレベルまで下げて判断するのです。

私のクライアントの中でも成功している企業は、どのような時でもレベルの高い購買者を対象にして営業を行います。レベルの高い購買者とは、利益を出すことに対して個々に責任を負っているビジネスリーダーのことです。彼らは自分の管轄のビジネスのマーケットシェアを拡大するという任務も負っていることもあります。レベルの高い購買者は、そういった目標を達成することに役立つものを購入するための許可を他人から得る必要がありません。彼らが関心を持つのは、あなたの商品やサービスではなく、あなたが彼らのビジネスにどのように貢献してくれるかということです。レベルの高い購買者はコストではなく、投資利益率を重要視します。彼らはもともと予定していなかったチャンスが舞い降りてくると、投資利益率のより低い目的に割り当ててあった予算をそちらに回します。やり方さえ理解すれば、こういったレベルの高い購買者とは、価値についての会話をすることが可能です。

あなたの会社では、常にレベルの高い購買者への販売を行なっていますか。そうでなければあなたは単に他のビジネスの下請け業者である可能性が高いと思います。

90年代には、IT企業にはレベルの高い購買者とビジネスに関する会話のできる営業スタッフがおらず、彼らは購買者としてはレベルの低い技術関係の人々のみを相手にしていました。そのせいで、ITシステムソリューション企業の分野にコンサルティング企業が介入し始めたのです。結果、IT企業はコンサルティング会社の下請け業者の立場に収まってしまったのです。これらのコンサルティング会社の担当者達は、レベルの高い購買者に上手に価値を伝えるやり方を心得ていましたから。信じられませんか。では、IBMが最終的にプライスウォーターハウスクーパースを買収したり、またNTTデータがキャップジェミニ株式会社を買収したりしたのは何故かを考えてみてください。

もちろん上記の内容は、広告や広報、一般のマーケティングの専門家の方々には当てはまりません。つまるところマーケテイングのプロはマーケティングの専門家ですから、自分たちをどう宣伝するかは承知しているはずです。マーケティングのプロの方々はこの記事を読んでも役には立たないでしょうから、ここで読むのをやめていただいて結構です。

・・・それともこの記事から学ぶべきことがあるでしょうか。

最近聞いたことですが、アクセンチュア社は広告、広報の分野にも参入してきたそうです。何故だと思いますか。アクセンチュアの営業チームは、高レベルの購買者と価値についての話をするのに慣れています。その価値の出所がITであろうが、広告であろうが、マーケティングであろうが、広報であろうが、それ以外のものであろうが、関係ありません。レベルの高い購買者とビジネスの会話を行うやり方の基本は変わりませんし、業界が変わっても通用します。そのノウハウを持った企業に廉価で下請けしてもらえるのであれば、マーケティングやそれ以外に関しての内容をを伝える能力に長けていても、意味はありません。レベルの高い購買者を顧客として獲得できる企業こそが、価値のシェアの大部分を得ることができるのです。大切なのは顧客を獲得する能力であり、デリバリー能力ではありません。

あなたの会社は広告や広報、クリエーティブ関連のビジネスを行っていらっしゃいますか。あなたの業界におけるシステム統合会社のような立場の会社でしょうか。利益は出しているけれども、利益率は思うほど高くないと感じていたり、競争が非常に激しいと思ったり、ビジネスを成長させるには人員をそれ相応に増やさなければられないと感じてはいませんか。

御社の営業マネージャーは、他から頼まれて見積もりや提案書を集めているに過ぎないレベルの低いバイヤーからの問い合わせにまで対応していますか。それとも自分の率いるビジネスの責任者である役員レベルの人々に働きかけていますか。またそういったビジネスリーダーにマーケティングのオプションについて説明するだけではなく、常に刺激的で説得力のある会話を持ちかけていますか。例えばバイヤーにTVのCMスポットを買いたいと言われたら、御社の営業マネージャーはまずどのくらいの長さのスポットが欲しいかを聞きますか。それとも何故TVのCMスポットが必要だと思うのかを尋ねるでしょうか。

これらの質問にひとつでもYesと答えたあなたに、もうひとつ聞かせて下さい。

あなたのマーケットシェアを今、奪い取っている企業や、今から奪い取ろうとしている企業はどこでしょう。

この記事のオリジナルバージョンは、キャンペーンに掲載されました。


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