スティーブンのブログ

女性差別を分析すると

先週、東京医科大が2006年以来ずっと、故意に女子受験者の入試点数を一律減点することで、女子学生の数を抑え、男子学生を優遇してきていたことが明らかになりました。女性医師が出産後仕事を休むことが病院の医師不足問題に繋がるという危惧がその背景にあったと考えられているようです。それが本当の理由かどうかははっきりしていませんが、どちらにせよひどい話です。

多くの差別に見られるように、女性差別も、社会全体のために、という身勝手な言い訳によりいつでも正当化されます。

私は、日本の会社でCEOを務める外国人の方々から、女性を営業副社長、次期CEOといった会社のトップのポジションにつけることについて相談を受けることが時々あります。「男性社員が彼女の言うことを真剣に聞いてくれるだろうか。」「顧客が女性リーダーに耳を傾けてくれるだろうか。」「女性がそういう地位につくと、ビジネスにどのような影響がでるだろうか。」といった内容の相談です。彼らCEOは女性の登用について、周りからいろいろ言われたり、記事を読んだりしているということは想像に難くありません。

しかし、私は未だ、日本人にせよ外国人にせよ、仕事のできる女性がトップのポジションに登用されたことで、ただ女性であるからという理由だけで何か問題になったことなど、一度も聞いたことはありません。それは男性主導の業界でも、いわゆる保守的と思われている企業でも同じことです。

人々がどのような意見を持っていようと、それは事実なのです。

女性を差別することは、可能である優越さを諦めてしまうことに繋がってしまう。 Click To Tweet

東京医科大は男性を優遇することで、優秀な新入生たちに門戸を閉ざし、素晴らしい可能性に妥協をしてしまったのです。この大学の該当する年度に卒業し医者になった生徒には、実はもともと医大に入るだけの実力がなかった人もいるかもしれないわけです。また、私の経験から言わせてもらうと、全てのレベル、部署で女性を活用していたり、少なくとも人口の女性の割合に近い割合で女性を雇用しているような日本の会社は、男性が大半を占めるような会社に比べ、良い業績を出しています。これは女性が単に男性より優秀だ、ということではなく、東京医科大のように故意に女性を排除するということがコストを伴う、ということなのです。現在、文部科学省では、東京医科大で行われていたような女性差別は他の学校でも行われているのではないか、と見ているようですが、もしそうであれば、日本の医療そのもののクオリティがどこまで妥協されていたのか、考えさせられてしまいます。

似たような女性排除を、違った形で行っている日本の企業はどうでしょうか。現在多くの日本企業では、性的公平さを促進するために、いろいろな努力をしています。あなたの会社でもそうかもしれませんね。しかし、そのようなプログラムを導入しても、古くさい態度が根強く残り、結局女性排除が起こり続けることもあります。

あなたの職場でも実はそのような古い考え方がはびこっているかどうかを知りたいとお考えでしたら、そこで見直すべきものは、産休でも、女性雇用や昇進の割合でも、トップの職についている女性の割合でも、状況改善のためのプログラムの数や、そういった類のものではありません。そのようなデータは大体古いものです。代わりに、社員に父親の育児休暇についてどう思うか、という質問をしてみましょう。そう、育児休暇についてです。父親の育児休暇についての態度やその実践状況を見ることは、日本のどの企業であっても、その女性に対する態度を知るための最良の方法なのです。

規範からのプレッシャーにはかなりの影響力があります。日本の育児休暇に関するルールは世界中でも最も寛容なもののひとつとされており、希望すれば最高一年取ることが可能です。しかし実際にそれを利用する人は殆どいないのが現状です。あなたも育児休暇をとった男性社員を見たことはないのではないでしょうか。例え彼らが密かに育児休暇を取ることを望んでいたとしても。育児休暇が、それを取ることで同僚の仕事量を増やすこととなる個人の我儘であると見られていたり、上司から自主的に福利厚生を諦めるといったペナルティを強制される結果になったりする風習がある会社であれば、そこでは女性雇用や産休についてもよく思われなくなっている可能性も高いと思われます。

あなたの会社で、女性に対する態度を変えたいとお考えですか。まずは育児休暇についての態度や扱い方を変えるところから始めてください。

女性をリーダーのポジションに就けることについて私に相談してきたCEOの方々には、迷いはありませんでした。彼らの場合、すでに結論を下した後、その先どのような状況が想定されるかを知りたいと考え、私に連絡してきたのです。

答えは簡単でした。素晴らしさのみが期待される、というものです。

これは誰にでも当てはまることだと思います。


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