対立においての和

「どうして私のチームは新しいアイディアをなかなか出してくれないんでしょうか。」

これは自社のチームからの提案や代替案をどんどん出して欲しいと考えているCEOの方々によく聞かれる質問です。日本社会では、新しい提案をすれば、自分の方が上司より物知りだと考えており、また上司の味方に同意していない、と思われることがあります。少なくとも横柄であると見られたり、ひどい場合は不服従のサインととられることさえあるのです。

しかし、実際、リーダーの立場にある人たちというのは、部下に良いアイディアや代替案があるのであれば、それを言って欲しいと考えているものです。もしそのアイディアが使えないものであっても、とにかく聞いてみて、それについて考える機会を持ちたいと思っています。

どうしてこのようなすれ違いが発生してしまうのでしょうか。その原因は、マネージャーたちがしばしば、「目標に対して異議を唱える」ということと「やり方について異議を唱える」ということとの違いが理解できないところにあります。目標に反対している場合は、「あなたの目標にはついていけない。」と言っているようなものですから、不服従とされる場合もあるでしょう。一方で、やり方に反論する、というのは別の話です。つまり、「あなたが達成しようとしていることには賛成しますが、そうするには別のもっといいやり方があるのではないかと思うのです。」と言っているわけですから。一般的にリーダーが求めているのは後者のようなインプットですね。

マネージャー達に違ったことをやりたいように思わせるには、基本的な考え方を変えさせることです。やり方に対して反対することと、ゴールに対して反対することとの違いについて率直に話し合うところから、まず始めてみませんか。アイディアが最終的に取り入れられようが成功しようが、とにかくアイディアや代替案を出すことが大切なのだ、ということを、奨励システムも使ってよく説明してください。

日本は和の国です。他人と対立することは避けたがりますし、とくにその相手が上司であればなおさらです。しかし実際には対立することによる和というものも存在するのです。社員にこれをわかってもらうことができれば、素晴らしい効果を期待できます。