優秀な人材のみ雇用すること

企業においては、本当に優秀な人材のみを雇用、確保することが大切です。

雇用そのものはビジネスの目標ではありません。大事なのは最高の人材を雇用することであり、それは現在日本で見られるような人手不足の状況でも同じことです。 Continue reading

日本問題研究家にはなるべからず

日本の特異さを考えすぎることは実際良くあることで、あなたの将来、キャリアにも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。本社の役員たちに日本のユニークさを説明することはお勧めしません。それはディナーパーティーや学生たちとの会話、友人との戦争の思い出話などにはうってつけかもしれませんが、本社役員たちが個人的に日本問題研究に興味がある場合を除き、専門家が扱うべきことです。一般の役員であれば、そのような会話にイラつきを感じ、退屈なものと感じると思います。

あなたが一所懸命に本社役員たちに日本を説明すればするほど、彼らは耳を傾ける気をなくしていくでしょう。いくら重要だったり、正当なことを言っても、日本でビジネスをする価値があるのか、疑問に感じ始めるかもしれません。例えばこれが中国であれば、全てがもっとシンプルであり、問題も理解しやすく、それを解決する努力も早く報われることが多いですから。

では、日本についての知識が殆どなく、経験も全くないような本社役員たちに、日本のことを説得力を持って説明するには、どうすればよいのでしょうか。説明をしなければよいのです。

私の知っているヨーロッパに本社をおく会社の日本のCEOも、本社の役員達に日本について説明することの難しさを話してくれました。特に、ほかの国であれば問題のないようなことが、なぜ日本ではできないのか、と言った内容です。だいたい本社役員達は懐疑的になり、全然理解してくれません。日本特有の問題についての会話はうまくいかない、というのが普通なのです。

このCEOも、日本の営業スタッフがいかに保守的でリスクを恐るかを説明しようとしました。つまり営業スタッフは新しいビジネスを追い求めるより、オーダーが入ってくるのを待つ方を好むということです。彼らは新しいことを実践するのが遅く、ビジネス改善のためのアイディアを提案することは滅多になく、上司からの指示を待つのが普通なのです。

でも本当にそうでしょうか。そんなことを言えば、海外の役員達は呆れた顔をするでしょう。

どのような問題を解決しようとする場合でも、まず原因を特定しなくてはなりません。私は以前にも書きましたが、どのような問題であっても、「日本だから」ということが理由であることは決してありません。その理由はそれとは異なり、また、対処できる問題であることが多いのです。

もし上記のCEOが自分の直面している問題の原因に注意を向けていたならば、それに関する話し合いもより前向きなものとなった可能性が高いと思われます。例えばこのような会話になったのではないでしょうか。

スタッフと話していてわかったのですが、私の前任者は、経営とリーダーシップに関して私とはまるで異なるアプローチをしていたようです。彼は独裁的な傾向があったそうです。彼が命令することには、部下は必ず従うのが当たり前とされていたといいます。 シニアマネージャーでさえ、決定権は殆ど与えてられていませんでした。社員の昇格は年功序列制で、それは会社のルールというわけではなかったのですが、慣例となっていたのです。失敗がなく忍耐強い社員であれば、昇格し、給与も上がるようになっていました。業績や成功に対する報酬などありませんでした。しかし、失敗をしてしまうと、キャリアが危うくなってしまいます。ビジネスのために個人がイニシアチブをとることに利点はなく、単にリスクのみがあったのです。

原因がクリア、具体的で、わかりやすいですね。日本のことを全然知らない役員でも理解できる内容です。この後にはその影響についての説明が続きます。

私のスタッフにとっては、この会社が唯一の雇用主であり、それ以外での経験も持たないのです。その結果、彼らの多くは個人のイニシアチブや変革が自分たちのキャリアにとってのリスクであると感じさせられるようになっており、ビジネスのための新しいアイディアを積極的に創造するといった経験もありません。彼らは政府官僚主義者のように行動するのです。政府官僚主義とかつてのうちの会社の日本ビジネスとは類似点がありましたから。

この説明は理にかなっています。原因は日本ではないのですから、影響も日本とは無関係です。そして次には、あなたの考える解決策について話して下さい。

私が最初に行いたいのは、企業文化や行動様式を、他の国の支社のやり方に沿うように変革することです。スタッフやマネージャーの大半は、少しの手助けさえあれば、我々のやり方を学び、自分たちの行動様式を変えることができると、私は考えています。実際、スタッフの中にはすでにその変革を始める準備ができている者もおり、彼らが先導者になってくれると期待しています。もちろん中にはどうやっても変わらないようなスタッフも少しはいるでしょうし、彼らへの対応も考える必要があります。いかにここでの我々のビジネスを変革していくかについて、是非私の考えを聴いていただけないでしょうか。

違いがお分かりいただけましたでしょうか。こういうアプローチを取ることで、問題は具体的で説明できるものとなり、日本のせいなどとされていルものはありません。この例に挙げたような問題は日本の多くの企業で見られる、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、それがどうだというのでしょう。あなたは日本の社会経済問題の解決法を見出す責任を負わされた政治家でも学者でもないのです。

あなたの仕事は自分の率いる企業を改善することであり、それはどのようなときでも、非常に実行可能なことなのです。

それ以外のことは、日本問題研究家に任せるべきです。

あなたの最大の敵は

日本にあるアメリカ資本の大手事業会社のCEOから、某日本事業会社の部門から物を購入する際の困難さについて聞かされたことがあります。彼らが売る気に欠けているから困難であるというわけではなく、その部門の得意先である日本政府の調達ルールをパスするために作られた不必要かつ面倒な官僚的プロセスの為だそうです。この日本の売り手の企業における品質コントロールプロセスは、実用的ではなく、このアメリカ企業が必要と考えるものよりずっと厳しく、その上に、その為にかかる時間やコストは大きなものでした。いかに妥当でないと思われるプロセスであっても、それにちゃんと従うことが大切と考えられていたのです。

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権限とエンパワーメントとは同義語ではない

エンパワーメントとは、息をすることと同じく、何か普通ではないことが起きるまでその大切さをなかなか意識することはありません。ビジネスにおいて受動的になってしまうという徴候は、エンパワーメント不足が理由で起こることがもっとも多いのです。 Continue reading

責任を持たせること vs. 同意を得ること

マネージャーによっては、新しいやり方を取り入れることに不安を感じる人もいるようです。成功するための変革を経験したことのないマネージャーには特にその傾向があります。

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human intelligence

人間の能力から得られるもの

ビジネスにおいて使われている人工知能や専門のシステムが組織の機能を向上させてくれることは可能ではありますが、それがどのような内容を宣伝していようとも、絶対の効果があるものではありませんし、組織の知識レベルを低下させてしまうこともあります。

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gender diversity

ジェンダー・ダイバーシティーについての洞察

日本以外の国のグローバル企業の大多数は、女性従業員の数、中でも特に管理職につく女性の数を増やすことを目標としています。日本では女性が軽くあしらわれる事がまだまだ多いですが、そんな日本でも同様な取り組みをするグローバル企業が増えてきました。私が知る最も成功している企業のリーダーの方々は、女性とはまったく関係のないことを正しく行うことで目的を達成し、その結果、ビジネスにとっても男性女性をふくむすべてのスタッフにとっても、良い結果が導かれました。

日本であっても国外であっても、ダイバーシティーが課題となっていてもいなくても、ビジネスリーダーの方々には以下のようなアドバイスをさせて頂きたいと思います。

ダイバーシティーではなく、エクセレンスを最優先させる事。ある有名なヨーロッパのグローバル企業のCEOは、他の多くの企業と同じくジェンダーダイバーシティを目標として掲げており、副社長のポジションにも女性を就ける事に固執していました。会社内部から推薦があってもそれが男性であれば駄目、ということになってはいましたが、もし結局推薦された男性を雇ったとしても、社内で文句を言う人はいなかったでしょう。このCEOは東京では知られた人材紹介会社のいくつかに副社長候補となる女性を探す依頼をしました。ところがその全てが、「女性を雇いたいのであればその女性に求めるレベルをある程度下げるか、もしくは男性でも良いというのでなければ、お受けできません。」と、この依頼を断ってきたのです。そんなに仕事のできる女性は存在しない、というのが、彼らの言い分でした。

しかしCEOは譲らず、求人内容のエクセレンスに妥協することを断固拒否しました。確かにそこで妥協して最初に推薦された人材から誰かを選んでいれば、すぐにこのポジションは埋まったでしょう。しかし彼はそれから約2ヶ月をかけて、自分が望んでいたレベルの人材を見つけたのです。彼女は実際、それまでに勧められた候補者の男性の殆どよりずっと仕事に向いていましたし、それどころかそれまでにその地位に就いた中でも最も優れた副社長のひとりとなったのです。候補者の門戸を広げ基準に妥協を許さなければ、その結果は素晴らしいものとなるのです。

もしCEOが妥協をしたとしても、それに文句を言う人が出てくることはなかったでしょう。雇ったのが女性でさえあればそれでよし、と人事部などは捉えていたでしょうが、それだけではビジネス業績は下がっていたでしょう。ダイバーシティーが欠如しているビジネスではエクセレンスに対する妥協がなされているものですが、だからと言ってダイバーシティーが確保されているからといって、それが最優先されているところではエクセレンスが必ず存在するという訳ではありません。

エクセレンスが性別、性的指向、人種、宗教、国籍などといった特徴に制限を受けることは決してありません。そのような基準を人選に取り入れる企業は、どこかで素晴らしい人材を雇うチャンスを逃したり、あるいは面接さえし損なっているものです。

ダイバーシティーに欠ける企業には、エクセレンスに対する妥協が必ず見受けられます。ジェンダーに限らずどのような種類のダイバーシティーであっても、それ自体がゴールである訳ではなく、それはエクセレンスを重要視している企業に自然に生まれるものです。ダイバーシティーをメインのゴールに据えている企業は、焦点の当て方を間違っていると言えます。大切なのはエクセレンスを重要視することなのですから。

女性社員にとって魅力的な企業になりたいのであれば、まず男性の勤務環境を改善すること。日本人も含め、最も生産性が高く効率の良いマネージャーの方々は、大体勤務時間が最も短い方々です。彼らは一所懸命働いているのは間違いありませんが、同時に仕事以外にも趣味や興味を持っていらっしゃいます。定時には退社し、定期的な運動も怠らないで健康に気を配っています。家族との時間も大事にしています。有給休暇も積極的に取って世界中を旅しています。また会社からの提案やサポートがあろうがなかろうが、自分自身の時間や金銭を使って自分から勉強や仕事上成長できる機会を捜します。本当に興味深い方々と言えます。

逆に一番生産性が低く効率も悪いマネージャーは、いつも残業し、しょっちゅう同僚や顧客と飲みに出かけ、週末も仕事をし、子供が生まれた後でも家で大した時間を過ごさないような人たちです。

ある日本企業の役員の方は、彼の会社を女性にとって魅力的にする事がいかに困難かという話をした時に、その理由は社の勤労条件が結果的に彼の呼ぶ「ボーイズ・クラブ」を作り出してしまったから、というのを理由に挙げました。男女が結婚すると、例え女性が働いていても、子供の面倒を見る責任は大体女性に求めらる、と彼は続けました。そのせいで、女性が普段から残業したり、仲間や顧客と仕事帰りに飲みに出かけたり、週末のゴルフに参加したりすることは難しい、というのです。彼はまた、子供が生まれた時に男性は休みが1週間しか取れないのに対し、女性はもっと長い休暇が必要になるため、仕事の責任やキャリアの継続における不公平さが生まれるとも言いました。

そんな中、仕事上、女性のためにどのような例外を許せばいいのでしょう、と彼は問いかけました。そのようなものは必要ない、というのが私の答えです。

彼が羅列した勤労条件は確かに女性にとって魅力的なものではありませんし、同時に男性にとっても特に良い条件とは言えません。せいぜい男性は嫌々ながらやるだろうと思われるような内容です。

私の経験では、日本人も含めて大体の男性は夜遅くまで外で飲んだり、上司や顧客との週末のゴルフに付き合わされたり、単に残業をしたりするよりは、家で家族と時間を過ごすことを好みます。たまにそういうことをするのは問題ないのですが、それが仕事の一部として当たり前のこととなると、男性であろうが女性であろうが嬉しいものではありません。

ある外資系の会社の話ですが、そこのCEOは午後6時以降にミーティングを行うことを禁止しました。また残業も止めさせました。またある日本の企業では、男性社員も女性社員も家族ともっと時間が過ごせるようにと、夜遅くに顧客や同僚と飲みに行くことを止めるように推奨するようになりました。この会社では例え飲みに行った時でも、トップの役員達はお酒を飲みません。彼らが社員達が飲むのを止めることはありませんが、自分たちは飲まないことで、飲まなくても大丈夫だということを伝えているのです。

日本の産休制度は、韓国に次いで最も寛大な内容になっています。少なくても法律上は、男性も最高1年間の育児休暇が取れるようになっています。ところが殆どの男性は、この精度を利用しません。彼らは育児休暇は取りたいけれども、そのせいで同僚に仕事上の負担をかけたくないのだそうです。

また別の日本企業では、CEO強制的に男性に育児休暇を取らせ、マネージャー達も社員が育児休暇を取ることに対してサポートをし、また休暇をとった社員に対して八つ当たりするようなことのないよう、徹底させました。

あなたの会社でも生産性や効率を上げたいと思っていらっしゃいますか。また優秀な女性の人材にとって魅力的な会社になりたいと考えていますか。まずは男性にとってもより良い仕事環境を整えることから始めて下さい。ビジネスのリーダーであれば、勤労環境や仕事のやり方を変える事ができる筈なのですから。

本当に優秀な人材であれば、仕事を見つけるに当たって常に数多くのオプションがある。故に優秀な女性も多くのオプションがある筈だということを覚えておくこと。才能があり志の高い女性、特に国際舞台で使えるスキルを持つ女性は、自分の才能を認めてくれる外資系企業での仕事を探す傾向があります。多くの日本人女性は日本企業でのチャンスは限られていると感じているのです。外資系企業にとって、女性の才能は本当に活かされていないリソースと見られてきました。

これは最近行われたエグゼクティブ会議でのことですが、そこで日本企業が女性の人材を自社に入れようと競争するようになると、外資系企業にも影響が出てくるのでは、という話題になりました。しかしこれは間違った見方です。日本にある日本企業も外資系企業にとってもこれは良いことなのです。外資系企業にとっては、これほどありがたいことはないでしょう。日本企業がどんどん女性の才能を重視するようになれば、より多くの女性が大きな期待と志を持って仕事に就くようになります。またその多くが自分への投資をすればそれを無視される代わりに見返りが期待できるということに気付き、さらに自分自身の勉強や能力の改善に努めるでしょう。そしてそれは企業にとってはプラスにしかなりません。

未だに日本では外資系企業のリーダーしか才能のある女性の勝ちに気付いていないと思ってはいらっしゃいませんか。それは自惚れです。私のクライアントである日本企業にも既に長年女性の才能を認め、人材を探す時にわざわざ女性に的を絞っている方々がいらっしゃいます。そして同様の日本企業の数は上昇する一方なのです。

女性の人材を惹きつけ、働き続けてもらうことの一番の利点は女性には限られたチャンスしかないから、と考えているビジネスリーダーは、傲慢であると言っても良いでしょう。女性でも男性でも、優秀な人材であれば、常にチャンスに恵まれているのです。そしてできる人材はまた、新しい仕事を見つけることに不安を抱いたりはしません。彼らは現在のポジションでは成長する機会が限られていると感じれば、臆することなく仕事を辞めてしまいます。次の仕事を探すことに不安を抱いて最後の最後まで今いる会社にしがみつこうとする社員というのは、凡庸な人材だけなのです。

ビジネスのリーダーが日本社会における変化をコントロールすることはできません。しかし、自分のビジネスの変革をコントロールすることは100パーセント可能です。将来起こるかもしれない社会の変化にも耐えられるようなビジネスにしたいのであれば、女性の人材への投資や昇進に力を入れましょう。彼女達には数々の素晴らしいオプションが与えられていると仮定するのです。例え現在はそのようなことはないと思われるかもしれませんが、そのうちそれは現実となります。その時が来れば、周りの企業は新しい現実についていくために右往左往するでしょうが、あなたの会社は既にその一歩先を行っている筈です。

私の経験では、人事部長たちはダイバーシティーとインクルージョンを、公平さや機会へのアクセス権といったモラル上のものとして捉える傾向があります。しかし戦略的ビジネスへの影響という面から捉えるには、彼らにはないレベルの洞察力が必要となります。

ダイバーシティーとインクルージョンといった課題からビジネス上の洞察力を取り除いてしまうと、そこに残るのはモラル上のものだけになります。そのような状況が起こるのは、何も人事だけに限ったことではありません。あなたが決断を下す時にも、モラルだけに基づいて行わないように気をつけて下さい。常にビジネス上の洞察力を駆使して正しいことを行えば、格段に素晴らしい結果が生まれる筈です。

常にビジネス上の洞察力を駆使して正しいことを行っていれば、素晴らしい結果が出せるものである。 Click To Tweet

woman in hanoi traffic

変革に立ち向かうこと:ハノイでの学び

躊躇することには何の利点もありません。戦略的な変革を成功させる事ができるのも、困難と思われることにも躊躇う事なく立ち向かえる人々だけです。私は最近ハノイを訪れた時に、このことを改めて確信しました。

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