Business meeting with salespeople

「モチベーション」は過大評価されている

CEOの方にどうすれば社員のモチベーションを上げて変化をもたらすことができるかを聞かれることがありますが、それは焦点を当てる場所を間違った質問です。モチベーションによって誰かに行動を起こさせることは可能ですが、そこから結果を出すところまで持って行かせることができるのは、モチベーションではなく、自制心だけです。

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金銭によるインセンティブに効果がない理由

多くのリーダーは、金銭的報酬があれば、社員の頑張ろうという気持ちが最も高まると考えていますが、実際、殆どの社員は、金銭は全然モチベーションの源とはならないと感じています。金銭によるインセンティブは、業績イコール取引、つまりどれだけ業績が上がれば幾らもらえる、という考え方を植えつけてしまいます。そしてそういった取引を受け入れるか、或いは拒否するかは、社員次第なのです。

よくできる社員というのは、提示された報酬などに関係なく、もともとの性格や能力のおかげで優秀なのです。私もこれまでに、ボーナスをもらえないから、などという理由で、優秀な社員がわざと仕事の手を抜いている姿など、見たことがありません。同様に、平凡な社員が、報酬を提示されたからといって、業績を上げたなどという話も聞いたことがありません。業績のぱっとしない社員が、「自分にはお金は十分あるし、正直、そんなに頑張る必要もないと思う。」などと言っているのを、聞いたことさえあります。ある経営幹部は、TOEICの点数が伸びなければかなり給料が減らされる、などということになるのは嫌だが、自分はそれと同じくらい英語が嫌いだ、と言っていました。

成長志向の高い人というのは、金銭より、挑戦によって突き動かされるものです。彼らは難しい課題にわざわざ取り組み、それによって学び、成長することを求めています。失敗をおそれず、また失敗は学びの一部と考えています。そういった見方をできる人たちは、常に業績も高いものです。

もし部下にモチベーションを与えたいのであれば、ひとりひとりに、現在の能力以上のものが求められるような、困難な課題を与えてあげましょう。余儀なく成長できるようにしてあげるのです。失敗は大目に見、同時にその同じ失敗を二度と起こさないように要求しましょう。こうすれば、できる社員により頑張ろうと感じさせることができます。

しかしながら、人によっては成長志向がないこともある、ということも覚えておいてください。人間的成長に興味のない社員は、困難な課題に背を向けてしまうかもしれません。これは個人個人の価値観によるもので、単に報酬をちらつかせたからといって変えられるようなものではありません。

優秀な社員の4つの特徴

優れた社員と適度にできる平凡な社員の違いはどこにあるのでしょうか、とよく尋ねられるのですが、それに対する私の答えに驚く方が多々いらっしゃいます。以下が私の考える優れた社員の特徴です。

1. しばしば失敗をする

成功を収める為には、失敗を恐れない姿勢が大切です。IBMのトーマス・ワトソン氏が成功する確率を上げるためにはどうすればよいかという質問を受けた際、「失敗の頻度を増やしなさい」と答えたのは有名な話です。失敗は後々にまで響く汚点であると考える社員というのは、リスクを犯したり新しいことを学ぶことを恐れるものです。逆に失敗を成長のチャンスと見る社員はその能力を瞬く間に伸ばしていきます。そこのところをわかっている会社は、社員の失敗に寛容です。もっとも同じ失敗を繰り返すことは許しませんが。

2. 会社に忠実でない

ここでいう忠実でない、というのは会社に対して裏切りを働く、という意味ではありません。裏切りを働く社員は自分が何かしらの利益を得るために会社にダメージを与えようとします。一方で忠実でない社員とは、会社に縛られていると感じていない社員のことで、いつでも必要とあらば他で仕事を見つけることができると考えており、またそのことになんの罪悪感も感じていません。仕事を嫌いながらも現状を失うのが怖いという理由から会社にしがみついている社員は、会社を辞めることはありませんが、最低限の仕事しかこなさないものです。逆に会社に忠実でない社員というのは、シンプルに会社に留まりたいと考えているからそうしているわけで、実はこういった社員こそがもっとも一所懸命仕事をこなし、優秀になります。ですから忠実さにこだわるより、会社自体ををずっと働きたいような場所に育てることに力を入れるべきなのです。

3. 人の目を気にしない

他人が自分のことをどう考えるかを気にしすぎる社員は、からかわれたり拒絶されたり嫌われたりすることを恐れるあまり、新規や人と違ったアイディアをだすことができません。優秀な社員は他人の目を気にすることなく、ビジネスを成長させるためには、反対意見を述べたり革新的なアイディアもどんどん提供しようとします。仲間意識や適合性ばかり強調しすぎると、会社の成長の妨げとなります。また、他人から認められることばかり気にしている社員というのは、人間的に成長しません。優秀な社員は他人にどのように見られるかに関係なく、健康的な自我と自尊心を持っています。こういった人たちこそがいずれ同僚の中でリーダーとなっていくのです。

4. コストの削減より収入を増やすことを考える

質素な生活をし、コストを抑えケチな生活をすれば少々のお金は貯まるかもしれませんが、本当に売り上げに貢献するのは価値を上げることです。優秀な社員は、コストの削減より、収入を上げることで利益を出そうとします。彼らにとってコスト削減の話は退屈なだけ。代わりに顧客に提供する価値を上げることで価格を上げることについて討議すれば、彼らは活き活きと話し合いに加わってくるでしょう。

あなたはどのような特徴を社員に求めますか。

何故できるだけ会社に忠実でない社員を多く雇うべきか

一番できる社員とは、実はいつでもどこでも仕事を見つけることができる自信を持ち、何の不安も感じていないような人々です。彼らが今の会社に留まっているのは単にそうしたいから、というのが理由で、実はこういった社員こそが一番献身的だと言えます。逆に仕事を嫌いながらも現状を失うのが怖いという理由から会社にしがみついている社員は、最低限の仕事はこなしても、会社に貢献するようにはなりません。皮肉にも会社に献身的な社員こそが、実は一番忠実ではない、という訳です。忠実そうに見える社員にこそ、注意を払う必要があるのです。