社員に起業家精神を持ってもらうには

私のクライアントであるCEOの方は、社の役員達に「ビジネスにはもっと起業家のようなアプローチをして欲しい」と要望しています。このようなことは他の会社でも見られるようになりました。

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責任感とは備わっているものであり、与えられるものではない

リーダーはビジネスの主導権や方針を他人に任せたりするべきではありません。

ビジネスの責任はいつであっても誰かが負っているものであり、そのための意思がなければ負えるものではありません。リーダーがそのような意思を他人に譲渡することが不可能であるという以上に、ビジネスの責任を誰かにとってもらうのは無理なことなのです。

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一番ビジネスを左右するのは、バリューよりも指針である

ある企業ではイノベーションをそのバリュー(共通価値観)として掲げ、社員にもいつもイノベーションと書いたものが目につくようにしてはありますが、実際には、R&Dのスタッフも含め、誰かがイノベーションを生み出す姿が見られる事は滅多にありません。
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誰もあなたのことを撃とうとしているわけではない

何年も前のことになりますが、当時自分の力でソフトウェア関連のビジネスを起こそうとしている起業家と話す機会がありました。彼はベトナム戦争時にCIA捜査官として働いていたそうで、ラオスでは多国籍特別部隊と時間を共にしたと言います。

彼は当時のことを思い出しながら、「私の人生において、ジャングルの中で銃を発射されつつ追いかけられた時ほどストレスを感じたことはありませんでした。」と語り始めました。「ですからビジネスにおけるリスクやストレスには強いんです。」

私は戦場の経験はありませんが、戦火のもとでのプレッシャーを経験すれば、ものの見方も変わるものだろうと想像することはできます。

ビジネス界に生きる私たちのその殆どは、そのような生死に関わる状況に直面したことはありません。しかし、リーダーの地位にあるようなマネージャーが、誰かに銃を向けられつつ追われているような気持ちで毎日仕事に望んでいるような様子を目にすることはよくあります。

日本語には真剣という言葉がありますが、それは剣道で使う竹や木でできた剣ではなく、「本物の剣」を意味する漢字でできています。木刀であれば間違いも許されますが、本物の剣を使ってミスをすれば、その影響はずっと残る、というわけです。

富士フイルムの古森重隆CEOは、トップマネジャーが「本物の剣」を使って戦っている一方、中間マネジャーと役員は、間違いから学ぶ機会を得られるような、木刀で戦っていることに気が付きました。本物の剣と同じく、トップマネージャーが下した決断が結局うまく行かなければ、後々まで響くような影響をもたらす可能性、更にはビジネス全体に悪影響を与えたり崩壊させてしまったりする可能性があるというのです。彼の見解によると、もしCEOがそのような戦いに負けるということはキャリアの終わりをも意味するのに対し、中間マネージャーが負けたとしたら、その責任を負うのは彼らの上司なのだそうです。CEOにとって、間違いとは許されないものであり、そのせいでとにかく勝つために必死になってしまうのだ、と彼は見ています。

古森氏がこのような見方に行き着いたのにはちゃんとした理由があります。デジタル写真が台頭し始め、富士フィルムが大きなシェアを誇っていたフィルム市場が縮小していく中、彼は2000年に会社のトップを引き継ぎ、困難な時期に会社を引っ張ってきたのです。それまで年間の事業収入の殆どはフィルムビジネスからのものでした。古森氏はそこで画像作成などとは全然関係のない業界にも使えるような専有技術に投資をすることで、会社を救ったのです。これらの試みの多くは失敗に終わりましたが、会社を窮状から救い生き抜くために十分な数の試みは成功しました。現在では富士フィルムでもっとも稼いでいるビジネスは、デジタルカメラビジネスとは何の関連もないものです。

富士フィルムの競合相手であったコダック社の場合、単にそのリーダー達がデジタル写真が台頭していくという可能性を受け入れることを拒み続けたから失敗した、というわけではありません。彼らも同時期にビジネスの多様化を狙った同様の戦略を試みはしたのですが、結局うまくいかず、2012年には破産申告をする羽目になりました。このレベルの戦いになると、本物の剣が使われる、というわけです。

中間管理職についている人が、適度と思われるビジネスリスクを負い、それが結局うまくいなかった、という理由で解雇されたケースなど殆ど聞いた事はない。 Click To Tweet

しかし私は、中間管理職の人々が新たなプロジェクトの可能性について語る時、まるでそれが本物の剣を使った戦いとなるように描写するのをしばしば目にしたことがあります。

例を挙げましょう。先日、ある戦略ディレクターと話した時のことです。彼は現在の戦略開発・管理プロセスに問題があり、そのせいで効果的ではないということに長い間気付いていましたし、それをうまく解決する方法も分かっていました。それにも関わらず、やり方の改善についてCEOや管理部門の人々にそのことを説明することを避けていました。説明することが戦略ディレクターとしての彼の責任の一部であるのも明白であるのに。彼が恐れていたのは、説明をすることで好ましくない影響が出てくるかもしれない、ということでした。確かにCEOや他のマネージャーから否定的な反応があるというリスクは存在します。しかし彼は、説明を試みてそれが失敗した場合の取り返しのつかないような影響が出る可能性について、歪んだ見方を持っていました。つまり実際には木刀を使っているにも関わらず、真剣で戦いに望んでいるつもりになっていたのです。この程度のリスクに萎縮してしまうようなマネージャーが、真の勇気と大胆なアクションが必要な面に出くわした時、それを乗り切れるとは思えません。

このような考え方をしているのは彼だけに限ったことではありません。私もこれまでに、どのような失敗でも修復はきかないと感じている中間管理職の人達をしばしば見てきました。その多くにとって、そのような考え方は行動を起こさないことの言い訳を与えてくれます。そして躊躇することが習慣になることで、学習することも妨害されてしまいます。暗黙のうちに、あるいは規則の一部として年功序列制がまかり通っていたり、失敗をしたことがないということが美化されるような企業では、中間管理職は、毎年毎年引き延ばす案件が溜まりに溜まり、それによって苦しんでいる人々で溢れています。

失敗は許されないと考えること自体は、間違ってはいません。しかし、失敗に対する反応に誤りがある事はあります。古森氏は失敗すれば後が無い、という思いを持って、会社を成功に導きました。彼ほどではない人々は、単に失敗したくないという思いで働いています。この二つは同じではないのです。

あなたの会社のマネージャー達は、自分はどちらの剣で戦っていると思っているでしょうか。

自分の剣は賢く使いましょう。そしてどちらにせよ、誰もあなたを撃とうとはしていない事は頭に入れておいてください。

人材とは募集するものではなく、引き抜くものである

人材の募集など止めて、代わりによそから引き抜きましょう。逼迫した労働市場においては、躊躇っている余裕などありません。攻撃に回るなら、今こそがその時です。

人材斡旋企業は人材を探すことが仕事、と言っていますが、だからどうだというのでしょうか。人材を探すことなど難しくはありませんし、その殆どは、LinkedInを使って誰かを見つけるのと対して代わりない程度のことです。 Continue reading

gender diversity

ジェンダー・ダイバーシティーについての洞察

日本以外の国のグローバル企業の大多数は、女性従業員の数、中でも特に管理職につく女性の数を増やすことを目標としています。日本では女性が軽くあしらわれる事がまだまだ多いですが、そんな日本でも同様な取り組みをするグローバル企業が増えてきました。私が知る最も成功している企業のリーダーの方々は、女性とはまったく関係のないことを正しく行うことで目的を達成し、その結果、ビジネスにとっても男性女性をふくむすべてのスタッフにとっても、良い結果が導かれました。

日本であっても国外であっても、ダイバーシティーが課題となっていてもいなくても、ビジネスリーダーの方々には以下のようなアドバイスをさせて頂きたいと思います。

ダイバーシティーではなく、エクセレンスを最優先させる事。ある有名なヨーロッパのグローバル企業のCEOは、他の多くの企業と同じくジェンダーダイバーシティを目標として掲げており、副社長のポジションにも女性を就ける事に固執していました。会社内部から推薦があってもそれが男性であれば駄目、ということになってはいましたが、もし結局推薦された男性を雇ったとしても、社内で文句を言う人はいなかったでしょう。このCEOは東京では知られた人材紹介会社のいくつかに副社長候補となる女性を探す依頼をしました。ところがその全てが、「女性を雇いたいのであればその女性に求めるレベルをある程度下げるか、もしくは男性でも良いというのでなければ、お受けできません。」と、この依頼を断ってきたのです。そんなに仕事のできる女性は存在しない、というのが、彼らの言い分でした。

しかしCEOは譲らず、求人内容のエクセレンスに妥協することを断固拒否しました。確かにそこで妥協して最初に推薦された人材から誰かを選んでいれば、すぐにこのポジションは埋まったでしょう。しかし彼はそれから約2ヶ月をかけて、自分が望んでいたレベルの人材を見つけたのです。彼女は実際、それまでに勧められた候補者の男性の殆どよりずっと仕事に向いていましたし、それどころかそれまでにその地位に就いた中でも最も優れた副社長のひとりとなったのです。候補者の門戸を広げ基準に妥協を許さなければ、その結果は素晴らしいものとなるのです。

もしCEOが妥協をしたとしても、それに文句を言う人が出てくることはなかったでしょう。雇ったのが女性でさえあればそれでよし、と人事部などは捉えていたでしょうが、それだけではビジネス業績は下がっていたでしょう。ダイバーシティーが欠如しているビジネスではエクセレンスに対する妥協がなされているものですが、だからと言ってダイバーシティーが確保されているからといって、それが最優先されているところではエクセレンスが必ず存在するという訳ではありません。

エクセレンスが性別、性的指向、人種、宗教、国籍などといった特徴に制限を受けることは決してありません。そのような基準を人選に取り入れる企業は、どこかで素晴らしい人材を雇うチャンスを逃したり、あるいは面接さえし損なっているものです。

ダイバーシティーに欠ける企業には、エクセレンスに対する妥協が必ず見受けられます。ジェンダーに限らずどのような種類のダイバーシティーであっても、それ自体がゴールである訳ではなく、それはエクセレンスを重要視している企業に自然に生まれるものです。ダイバーシティーをメインのゴールに据えている企業は、焦点の当て方を間違っていると言えます。大切なのはエクセレンスを重要視することなのですから。

女性社員にとって魅力的な企業になりたいのであれば、まず男性の勤務環境を改善すること。日本人も含め、最も生産性が高く効率の良いマネージャーの方々は、大体勤務時間が最も短い方々です。彼らは一所懸命働いているのは間違いありませんが、同時に仕事以外にも趣味や興味を持っていらっしゃいます。定時には退社し、定期的な運動も怠らないで健康に気を配っています。家族との時間も大事にしています。有給休暇も積極的に取って世界中を旅しています。また会社からの提案やサポートがあろうがなかろうが、自分自身の時間や金銭を使って自分から勉強や仕事上成長できる機会を捜します。本当に興味深い方々と言えます。

逆に一番生産性が低く効率も悪いマネージャーは、いつも残業し、しょっちゅう同僚や顧客と飲みに出かけ、週末も仕事をし、子供が生まれた後でも家で大した時間を過ごさないような人たちです。

ある日本企業の役員の方は、彼の会社を女性にとって魅力的にする事がいかに困難かという話をした時に、その理由は社の勤労条件が結果的に彼の呼ぶ「ボーイズ・クラブ」を作り出してしまったから、というのを理由に挙げました。男女が結婚すると、例え女性が働いていても、子供の面倒を見る責任は大体女性に求めらる、と彼は続けました。そのせいで、女性が普段から残業したり、仲間や顧客と仕事帰りに飲みに出かけたり、週末のゴルフに参加したりすることは難しい、というのです。彼はまた、子供が生まれた時に男性は休みが1週間しか取れないのに対し、女性はもっと長い休暇が必要になるため、仕事の責任やキャリアの継続における不公平さが生まれるとも言いました。

そんな中、仕事上、女性のためにどのような例外を許せばいいのでしょう、と彼は問いかけました。そのようなものは必要ない、というのが私の答えです。

彼が羅列した勤労条件は確かに女性にとって魅力的なものではありませんし、同時に男性にとっても特に良い条件とは言えません。せいぜい男性は嫌々ながらやるだろうと思われるような内容です。

私の経験では、日本人も含めて大体の男性は夜遅くまで外で飲んだり、上司や顧客との週末のゴルフに付き合わされたり、単に残業をしたりするよりは、家で家族と時間を過ごすことを好みます。たまにそういうことをするのは問題ないのですが、それが仕事の一部として当たり前のこととなると、男性であろうが女性であろうが嬉しいものではありません。

ある外資系の会社の話ですが、そこのCEOは午後6時以降にミーティングを行うことを禁止しました。また残業も止めさせました。またある日本の企業では、男性社員も女性社員も家族ともっと時間が過ごせるようにと、夜遅くに顧客や同僚と飲みに行くことを止めるように推奨するようになりました。この会社では例え飲みに行った時でも、トップの役員達はお酒を飲みません。彼らが社員達が飲むのを止めることはありませんが、自分たちは飲まないことで、飲まなくても大丈夫だということを伝えているのです。

日本の産休制度は、韓国に次いで最も寛大な内容になっています。少なくても法律上は、男性も最高1年間の育児休暇が取れるようになっています。ところが殆どの男性は、この精度を利用しません。彼らは育児休暇は取りたいけれども、そのせいで同僚に仕事上の負担をかけたくないのだそうです。

また別の日本企業では、CEO強制的に男性に育児休暇を取らせ、マネージャー達も社員が育児休暇を取ることに対してサポートをし、また休暇をとった社員に対して八つ当たりするようなことのないよう、徹底させました。

あなたの会社でも生産性や効率を上げたいと思っていらっしゃいますか。また優秀な女性の人材にとって魅力的な会社になりたいと考えていますか。まずは男性にとってもより良い仕事環境を整えることから始めて下さい。ビジネスのリーダーであれば、勤労環境や仕事のやり方を変える事ができる筈なのですから。

本当に優秀な人材であれば、仕事を見つけるに当たって常に数多くのオプションがある。故に優秀な女性も多くのオプションがある筈だということを覚えておくこと。才能があり志の高い女性、特に国際舞台で使えるスキルを持つ女性は、自分の才能を認めてくれる外資系企業での仕事を探す傾向があります。多くの日本人女性は日本企業でのチャンスは限られていると感じているのです。外資系企業にとって、女性の才能は本当に活かされていないリソースと見られてきました。

これは最近行われたエグゼクティブ会議でのことですが、そこで日本企業が女性の人材を自社に入れようと競争するようになると、外資系企業にも影響が出てくるのでは、という話題になりました。しかしこれは間違った見方です。日本にある日本企業も外資系企業にとってもこれは良いことなのです。外資系企業にとっては、これほどありがたいことはないでしょう。日本企業がどんどん女性の才能を重視するようになれば、より多くの女性が大きな期待と志を持って仕事に就くようになります。またその多くが自分への投資をすればそれを無視される代わりに見返りが期待できるということに気付き、さらに自分自身の勉強や能力の改善に努めるでしょう。そしてそれは企業にとってはプラスにしかなりません。

未だに日本では外資系企業のリーダーしか才能のある女性の勝ちに気付いていないと思ってはいらっしゃいませんか。それは自惚れです。私のクライアントである日本企業にも既に長年女性の才能を認め、人材を探す時にわざわざ女性に的を絞っている方々がいらっしゃいます。そして同様の日本企業の数は上昇する一方なのです。

女性の人材を惹きつけ、働き続けてもらうことの一番の利点は女性には限られたチャンスしかないから、と考えているビジネスリーダーは、傲慢であると言っても良いでしょう。女性でも男性でも、優秀な人材であれば、常にチャンスに恵まれているのです。そしてできる人材はまた、新しい仕事を見つけることに不安を抱いたりはしません。彼らは現在のポジションでは成長する機会が限られていると感じれば、臆することなく仕事を辞めてしまいます。次の仕事を探すことに不安を抱いて最後の最後まで今いる会社にしがみつこうとする社員というのは、凡庸な人材だけなのです。

ビジネスのリーダーが日本社会における変化をコントロールすることはできません。しかし、自分のビジネスの変革をコントロールすることは100パーセント可能です。将来起こるかもしれない社会の変化にも耐えられるようなビジネスにしたいのであれば、女性の人材への投資や昇進に力を入れましょう。彼女達には数々の素晴らしいオプションが与えられていると仮定するのです。例え現在はそのようなことはないと思われるかもしれませんが、そのうちそれは現実となります。その時が来れば、周りの企業は新しい現実についていくために右往左往するでしょうが、あなたの会社は既にその一歩先を行っている筈です。

私の経験では、人事部長たちはダイバーシティーとインクルージョンを、公平さや機会へのアクセス権といったモラル上のものとして捉える傾向があります。しかし戦略的ビジネスへの影響という面から捉えるには、彼らにはないレベルの洞察力が必要となります。

ダイバーシティーとインクルージョンといった課題からビジネス上の洞察力を取り除いてしまうと、そこに残るのはモラル上のものだけになります。そのような状況が起こるのは、何も人事だけに限ったことではありません。あなたが決断を下す時にも、モラルだけに基づいて行わないように気をつけて下さい。常にビジネス上の洞察力を駆使して正しいことを行えば、格段に素晴らしい結果が生まれる筈です。

常にビジネス上の洞察力を駆使して正しいことを行っていれば、素晴らしい結果が出せるものである。 Click To Tweet

インセンティブに効果はない

もし結果を出せばもっと報奨金を支払う、と言われたら、あなたは自分のやり方を変えますか。

過去、この質問を成功されているCEOの方々に何度もしましたが、彼らの答えはいつでも”NO”でした。あなたも同じように答えるのではないでしょうか。

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meeting and productivity steven bleistein

勤務時間を減らして生産性を上げる

ビジネスにおいて生産性を上げたいと思うのであれば、勤務時間を増やすのではなく、逆に減らすべきです。マイクロソフト・ジャパンのある部署でも金曜日にはオフィスを閉めて勤務日数を週5日から4日に減らしたのですが、その結果、なんと生産性は40%も向上したのだそうです。そう、アメリカやその他の海外のマイクロソフトの話ではありません。日本のマイクロソフトの話です。マイクロソフト・ジャパンがこのような方法で生産性を上げることができたのであれば、あなたのビジネスでも同様な事ができる筈です。

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