スティーブンのブログ

戦略作成では、まず譲れない部分を明確にする事

市場、状況に関わらず、どのビジネスにも複数の戦略方向のオプションが存在するものです。企業のリーダーにとって、自分のビジョンをちゃんと説明せずとも、自分のチームがそれに沿った戦略方向性を提示してくれることができれば最高ですね。

しかし、そのようなことが自然と起こる事は実際にはまずありません。

最適な戦略が一つしか存在しないなどということはないのです。そこで自分のビジネスにおける優先順位をもとに理想的な戦略方向を選択するのは、リーダーの役目です。

「 チームには、戦略開発に自分たちも参加していることを感じてもらいから、私のビジョンを説明し強制するような事はしたくない。そんな事をすれば、彼らは責任を感じずやる気も減ってしまうと思う。」といった事を、何人かのビジネスリーダーから聞いたことがあります。彼らはつまり、「君の意見など聞く気はない。」と言ってのけるような独裁者上司だと思われたくないのです。

このような心配に意味があることなど殆どありません。戦略開発に協力することを依頼する前にまず自分が求めていることを説明したからと言って、それがチームをないがしろにしているということにはならないのです。逆にそれを達成するための助けをチームにお願いしているのですから。

戦略開発の際には必ず、まずその出発点を明確にしましょう。絶対に譲歩できないものは何ですか。そしてチームの助けを得ながら変えていきたいものは何でしょうか。ここで大切なのは、その目的が有効であるかどうかではなく、ある目的を達成するために変更するべき事について話し合うのだということを明言することです。

私のクライアントである某CEOは、譲れない事項として、戦略に沿わない商品ラインの取り扱い中止を決定しました。そのアイディアに反対するマネージャーもいましたが、CEOはその決定を翻すことはなく、 その実行方法についての助けをマネージャー達に求めました。つまり、その時点で既に商品ラインの取扱を中止するかどうかという事は決定事項となっていた訳です。また他のあるCEOは、 単に顧客からの注文を待つ営業ではなく、もっと積極的にビジネス開発を行うことを要求しました。そしてそれを可能にする能力を伸ばし、営業、マーケティングなどのプロセスを変更することに関する助けをチームに求めたのです。

だからといって、ビジネスのビジョンを開発したり、ハイレベルにおける戦略目的を定義する際に、チームの関与を求めてはいけない、という訳ではありません。あなたが望むのであればそうしてもいいですし、実際多くのリーダー達も実際に行なっている事です。しかし、ビジョンを自分だけで決定することにも何の問題もありません 。

それはリーダーの特権なのです。

ビジネスの現状や機会を鑑みれば、特にビジョンの説明をしなくとも、チームもあなたと同じ結論に行き着くはずだと期待するのは、非現実的と言えます。さらに大切なのは、自分には譲れない部分があるにも関わらず、単にチームに戦略ビジョンに関わってもらっている気分になってもらうためにその作成を依頼しているふりをする事は不誠実だということです。

そういうことをすると、必ず後で痛い目を見るものです。戦略作成依頼を受ける以前から、実はあなたによる決定済みの事項があったなどと後から知れば、チームの面々はバカにされたかのように思うでしょう。更に、自分達の時間と努力が無駄にされた、あなたの上っ面しか見えていなかった、かなりちっぽけな存在と見られていた、などと感じるかもしれません。

戦略開発においては、どのようにチームに関わってもらいたい場合でも、常に正直であるのが重要です。

リーダーとしての特権を使えば彼らのやる気を削いでしまうかもしれない、などと心配する必要はない。 Click To Tweet

最初に絶対譲れない事ははっきりさせ、その理由も説明しましょう。例え彼らが「自分であれば違った結論にたどり着く」と感じていたとしても、まずあなたの根拠も理解してもらい、そこで初めて彼らの助けを求めて下さい。

自分の下のマネージャーを尊敬し、その助けを求めてくるような正直なリーダーほど、スタッフをやる気にさせる人はいないのです。


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