スティーブンのブログ

人を信用することから得られる利益と、疑うことから発生するリスク

つい最近、新幹線のグリーン車に乗っていた時に、ふと、車掌が乗車券のチェックをしていないことに気付きました。かつては新たな乗客が乗ってくるたびに、ユニフォームを着た、殆どの場合は女性の車掌がまずサービスのおしぼりを配り、客席番号をチェックしてから、数分後にまたそこに戻って着て乗車券のチェックをしていたものです。それが今ではただおしぼりを配るだけで、乗車券の確認は無くなっていました。

多分、高いお金を出してグリーン車の指定席券を買うような乗客をわざわざ煩わせてまで乗車券のチェックをするのは意味がない、ということになったのでしょう。またそうすることで、車掌の業務も半減したと思います。日本ではグリーン車のチケットなしにグリーン車に座ったり、間違えてグリーン車に乗ってしまうなどというケースは、本当に稀なことでしょう。殆どの乗客が正しい行いをしているような環境で、わざわざ乗車券のチェックをし、スタッフ、乗客の両方を煩わせる必要などあるでしょうか。それに、もし、ほんの一握りの人たちがグリーン車のチケットなしにグリーン車に乗っていたからといって、それを気にする人などそういないと思います。どのような影響があるというのでしょう。また同時に、JRが、グリーン車を常用してくれるような乗客に対し明らかな信頼を示せば、その好感度は上がるはずです。そこから生まれる利益も多いのではないでしょうか。

ビジネスの場面で、他のビジネスチャンスを犠牲にすることになっても、とにかく損をしないように色々な努力を払う人々を見かけます。例えば社員に大変負担になるようなレポートを作らせる上司がいますが、レポートを作る代わりに、その時間を使って営業や顧客サービスだってできるかもしれません。また、会社のトップの方々がビジネスパートナー候補にアプローチする時に、とにかく騙されないようにということばかり考えて、オープンで創意にとんだ態度で可能性を語り合うかわりに、はっきりしない慎重すぎる態度をとってしまっている様子も見たことがあります。

ある日本の喫茶店で経験したことですが、私がアイスコーヒーをオーダーした時、一口飲んだだけで既に砂糖が入っていることに気がつきました。砂糖なしが欲しかったので他のものをリクエストすると、新しい注文としてその分追加で払わされました。もう既に砂糖入りのコーヒーに口をつけていたし、もともと私が注文を間違えたせいだから、というわけです。これがスターバックスであれば、余計な質問をすることもなく、すぐにただで新しい飲み物を出してくれます。実際、私もこれを経験したことがありますが、何人の人がこのスターバックスのサービスを悪用したりするでしょうか。

騙される可能性が低かったり、その影響が大したものでないと思われる殆どのシチュエーションでは、人は信頼できるという仮定に基づいて行動しましょう。たまに騙されるようなことがあったとしても、人を信じることによって得られるチャンス、信用、信頼は、大体にしてそのコストを大きく上回るものです。そしてもし騙されることがあったとしても、それは忘れて良いのです。たまに損しても、全体ではもっと得られるものが大きいはずですから。


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