スティーブンのブログ

Problem with Engagement Surveys

従業員エンゲージメントアンケートの問題点

従業員エンゲージメントアンケートを行うことによって、企業の問題点や不健全な部分が見過ごされてしまうことがあります。つまりそういったアンケートに基づいた決断を行えば、間違った判断をしてしまう危険性があるということになります。

私は従業員エンゲージメントをこう定義しています。「課せられている基本的な仕事の部分だけに留まらず、自分の成長の機会があるからという理由から更にビジネスにコミットすること。」現在では世界中の多くの企業で、「従業員エンゲージメント」の度合いを見るために、既成のアンケートを行うのが当たり前になりました。しかしビジネスにとって一番大切なのは、高レベルの従業員エンゲージメントではありません。本当に必要なのは、ビジネスにとって重要な社員の高レベルのエンゲージメントなのです。

では、その重要な社員とはどのような人のことでしょうか。それは辞めてもらいたくないような優秀な社員であり、また自社にぜひ来てもらいたい人材の典型的な例のような人々です。こういった社員のエンゲージメントは大変重要です。彼らのエンゲージメントレベルを調べればそれは確かに参考な指標となると思うのですが、私は未だ、それを考慮に入れて作られたアンケートを見たことがありません。いわゆる従業員エンゲージメントアンケートというのはどの社員も同じように捉えた内容であり、きっとあなたの会社で行われているアンケートも同様ではないかと推測します。

私の知っているある企業では、アンケート結果は高いレベルのエンゲージメントを示しており、多くの社員は自分に課せられた仕事以上のことをやっている、と思っていたのですが、実際には基本的な業務以上のコミットメントは全体的にパッとしないものでした。この会社では、個人個人が成長できるような素晴らしいチャンスを社員全員に与えていました。例えば9ヶ月間、給料をもらいながらアメリカで勉強できる制度とか、会社が全額を払って興味のあるマネージャーがMBAを取得できる制度とか、それ以外にも個人の成長をサポートするプログラムは数多くあったのです。ところが社員たちはこういった制度に感謝を示しながらも、実際に利用する人はほんの少しでした。

企業の業績がまあまあという間は、概して大した努力は見られないものです。しかし本当にできる社員というのは、そのような凡庸さに耐えられず、不満を表します。そして優秀な社員の離職率はかなり高くなるのですが、人事が管理している全体の離職率には大して変化がないため、問題視されません。しかし優秀な部下に辞められてしまったマネージャーにとってはかなりの痛手です。

これと同様に、エンゲージメントアンケートで素晴らしい結果が見られても、そのせいで企業が抱える問題が見えなくなってしまったり、逆にひどい結果によって企業の健全さがわからなくなることもあります。ある会社では、ビジネス業績は良好で、過去のアンケートでは従業員エンゲージメントが高いという結果も出ていたのですが、そんな中、戦略的に必要だった改革が行われました。そしてその年、エンゲージメントの低下が起こったのです。これは意図的な改革が行われる時によく見られるケースで、不安や、ビジネスが自分が思っていたのとは違う方向に向かっているような気持ちに駆られることによるものです。大体の場合は、こういったエンゲージメント度の低下は一時的なものです。

ところがこの会社では、CEOの評価の一部は、年に一度行われる従業員エンゲージメントアンケートの結果によって左右されるようになっていました。私に言わせれば、とんでもないシステムです。結果、このCEOは必要なことを実行したことでペナルティーを課されたのですから。逆に言うと、もし彼がエンゲージメント度を前のレベルに保つために会社にとって大切なことに関して妥協してしまっていれば、その報酬を得ることができていた、ということになります。

本当にできるビジネスリーダー達は、社員のエンゲージメント度を測るためにアンケートを行ったりはしない。そのような必要などないのだから。 Click To Tweet

素晴らしいビジネスリーダーの方々は、エンゲージメントアンケートではなく、以下のようなことを実行しています。

1. 社員と直接話す。彼らは部下を通してではなく、直接社員の中に入って行って会話をします。社員は笑顔で挨拶してくれますか、それとも視線を反らせてしまいますか。彼らもあなたと話してくれますか。意見を求めれば、アイディアを出してくれますか。自分たちの仕事を楽しんでいるようですか。マネージャーは自分の部下を紹介してくれますか、それとも距離を置かせようとするでしょうか。ビジネスに関する新しい情報を得られるでしょうか、それとも静かな図書館の読書室を歩いているような気分にさせられるでしょうか。

2. 顧客に連絡をする。顧客があなたの会社に対して抱いている感情がどのようなものか、社員からの報告だけに頼ってはいけません。自分で電話をするのです。電話に出てもらえる、あるいは折り返し連絡してもらえるでしょうか。自社にやってもらいたいことや変えてもらえたいことなど、率直な意見をもらえるでしょうか。社員を褒めてもらったり、サポートに対する感謝を言ってもらえるでしょうか。それとも丁寧ながら特に何も言ってもらえないかもしれません。不満をぶちまけられることもあるかもしれません。

3. 自社に他人のふりをして電話をかけ、自分につないでほしいと頼む。外部の人間が自分に電話してきたとき、簡単に直接繋がるようになっていますか。それとも間に何人もの仲介者が入るようになっていますか。もし折り返し電話するように頼んだ場合、せめて中間レベルのマネージャーからでも電話がかかるようになっていますか。あなたに残されたメッセージの連絡は行きますか。メッセージの全ては、それが重要な件であった時のためにも、少なくともあなたのオフィスに届くようになっていますか。それとも他の誰かが自分の判断、あるいは不安に基づいて、誰からの電話をあなたにつなぐ、或いは繋がないという判断をしているのでしょうか。

4. 優秀な社員の定着率をマネージャーに尋ねる。社員全員の定着率など気にする必要はありません。凡庸な社員の定着率は概して高いものです。平凡な社員はいつでも新しい仕事を見つけることに対する不安を抱えているので、いつまでも現在の仕事を辞めようなどとは考えません。しかしできる社員となると新しい仕事を見つけることを恐れていないので、あなたの会社で自分が成長できる機会が限られていると感じると、さっさと去ってしまうでしょう。あなたの会社のマネージャー達は、優秀な部下を失っていませんか。そうであれば、その理由はなんでしょうか。

グローバル企業を率いている方々には、従業員エンゲージメントアンケートの実施に関して意見を言うことは難しいかもしれません。廃止できないものであれば、仕方ないでしょう。それを利用するのであれば、結果を読み解く時には細心の注意を払ってください。そして本当のエンゲージメントの度合いはご自身で判断して下さい。本当に優秀なリーダーの方々は、真のエンゲージメントを目の当たりにすれば、すぐにそれに気付きます。それはあなただけにできることなのです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください