スティーブンのブログ

No Such Thing as a Labor Shortage

人手不足と「手放す」ことについて

ビジネスを育てるためにまずやるべきなのは、たとえ人材不足が叫ばれている最中であっても、何を削減するか決めることです。あなたの会社では現在の労働力不足を乗り越えるために、より多くの人材を雇ったり現社員が離職しないように尽力したりしていませんか。もうしそうであれば私からのこのアドバイスに耳を傾けて頂きたいと思います。ビジネスを成長させるためには、まず手放すことから始めましょう。何を手放せばよいのか、と思っていらっしゃるかもしれませんね。以下、手放すべきもののトップ4について説明します。

1. 凡庸な社員を解雇すること。

やるべきことと真逆であるように聞こえるかもしれませんが、あなたの会社が注目に値するような雇用主になるためには、凡庸な社員は解雇し、本当にできる人材のみを雇うべきです。そこのところは決して譲ってはいけません。

大してできない社員を雇用し続ける会社がよくその言い訳に使うのは、代わりになる人材がいない、とか、新しい人材を探すことが困難だと思われる、といったことです。しかし、本当に優秀な人材は、やはり同じように優秀な人々に惹きつけられるものです。ですからあなたの会社もできる人材に来て欲しいのならば、できない社員は解雇するべきなのです。

ある会社の部長の殆どは、内部にも外部にも才能のある人材が不足しているとこぼしていたのですが、そんな中で新しく入った営業部長は、仕事を始めるなり、彼女の部門の4分の3にあたるスタッフを解雇し、本当にできる社員だけを手元に残しました。そして人材不足の中、新たに優秀な人材を見つけることなど不可能だ、とこぼす人事部を横目に、さっさと空いたポジションを埋める素晴らしい社員を見つけたのです。

それだけではありません。できる社員は大体素晴らしいマネージャーへと育ち、素晴らしいマネージャーは優秀なスタッフを惹きつけるものなのです。これは東京にある外資系企業の法務部の部長の話ですが、彼女は人事部からあまり例外的なことはしないように、というアドバイスを受けていたにも関わらず、殆ど苦労することもなしに、空いていたポジションを優秀な社員で埋めてしまいました。

残念なことに、この逆の現象も見られます。凡庸なスタッフは大してできないマネージャーとなり、そのようなマネージャーはやはりできない社員を雇いたがる傾向があるのです。凡庸な人々は優れた人を脅威と感じる傾向があり、それ故に彼らは優秀な人材を避けてしまうわけです。

解雇することに伴う影響を気にしなくて良いとしたら、あなたはどのような人を解雇しますか。あなたの会社では、凡庸な人材に邪魔をされているせいで能力を発揮できていない優秀な社員がどのくらいいるでしょうか。もっと素晴らしい同僚やマネージャーと仕事がしたい、という理由から、就職を断ってしまった素晴らしい人材がいた可能性はありませんか。

2. やたら労働力を要するビジネスは、それがいくら利益を出している最中であっても、切り捨てること。

ここで私の言う労働力とは、価値を創造する為に必要な時間と労力のことを指しています。ある企業では、かなり分散した小売市場で製品の販売を行なっていました。このビジネスは利益を出していましたし、会社自体も長年成功を収めていたと言えます。しかし顧客へサービスを提供するには、大規模な営業チームへの負担が必要であり、結局は社が提供するより価値の低いものしか売れなかったりすることもしばしばでした。

ところがこの会社は、最近になって企業向けの新しいビジネスを始め、価値の最も高い製品を大量に販売することに成功しました。仕事の能力が高い少数の担当者がそれぞれ、大量のビジネスを管理することもできるようになったのです。

以前の分散した市場をターゲットとした販売とは異なり、新しいビジネスモデルでの企業向けに販売する能力は、大変ではありますし、そうそう見かけるものでもありません。しかしながら、そういったユニークな販売能力を持った人材は、まさに自分の能力が十分に活かせられるから、という理由から、そのようなビジネスに惹かれるのです。このやり方だと、分散市場を相手としたビジネスに比べ、担当者は少なくて済みます。そしてこの新しいビジネスを伸ばし、より少ない担当者によってより多くの利益を出しながら、小売業ビジネスの方を縮小することが可能になります。同時にこの会社は、将来、より労働力をかけずに価値の高いビジネスを見つけ、それに取り掛かることのできる能力を身につけていっています。

小売業ビジネスに営業スタッフを引きつけることは、それに比べるとずっと大変なことです。能力の低い営業分野の人材は確かに多くいますが、彼らに対する需要も多いので、営業ポジションをそのような人材で埋めることは容易ではありません。彼らは単に営業の仕事を求めているだけです。一方で能力の高い人材は、自分に相応しい営業の仕事を探しています。ビジネスの価値が高ければ高いほど、そして必要とされている労力が低ければ低いほど、あなたが必要としているような人材をより引きつけることができ、他の会社に取れれてしまう確率は低くなるものです。

あなたの会社では、かなりの労力がかかるのに、利益を出しているから、というだけで手放せないでいるビジネスはありませんか。できる人材が足りないから、という理由で、ビジネスを維持したり伸ばしたりすることに苦労をしていませんか。このような高価値のビジネスができたら、などと思うものはありませんか。ビジネスを成長させるには、まず手放すことです。

3. 年功序列制や終身雇用制を止めること。

年功序列制や終身雇用制を採用している企業の特徴は、しっかりした肩書きを持つ社員が多くいる一方で、いずれ中間管理職やシニアレベルのリーダーのポジションになるべき候補者が不足しているということです。

年功序列制も終身雇用制も、凡庸さの温床となります。よっぽどひどいことをしない限り、誰も解雇されることはありません。仕事ができない社員も勤労年数に応じて昇進できる一方で、優秀な社員はそのようなチャンスも許されず、自分の順番が来るのを待つしかありません。野心を持つできる社員であれば、他の仕事が見つかるかどうかなど心配する必要もないので、とっとと会社を辞めてしまいますが、できない社員となると他の仕事に就ける自身もなく、最後まで会社に忠誠を尽くし、才能のある人材が不足しているという状況をさらに悪化させることとなってしまいます。ですからできる人材の不足の理由というのは、実は会社の体制そのものが作り出しているわけで、先にも述べた通り、凡庸な社員ばかりの会社には、優秀な人材は応募してきません。

私が知っている会社にもそのような状況に陥っていた会社があったのですが、その会社の人事部長に年功序列制と終身雇用制の廃止を勧めたことがあります。皮肉なことに、その時の彼女の答えは、保証なしでは現在いる社員は辞めてしまい、新しい日本人社員に来てもらうのはもっと大変になる、というものでした。しかし、これ程間違った考えはありません。先に述べた通り、できない社員は決して自分から辞めることはありません。大体考えてもみてください。終身雇用制や年功序列制が大切だと考えるような人材を雇うことが、本当に会社のためになるでしょうか。

あなたの会社では現在、どのようなやり方を行なっていますか。確信がないのであれば、確認してみてください。

4. 給与体系をなくすこと。

私のクライアントである企業の副社長の話です。彼女はある時、シニアレベルの営業ポジションのための人材を探していました。そして彼女が採用したいと考えたのは、以前の会社で素晴らしい業績を上げ、さらなるステップアップのための機会を探している男性でした。

彼女の目から見て、この男性は他の応募者からずっと抜き出ていました。しかし彼が希望する給与は、業界の平均額を上回るものでした。しかしそれより重要と思われたのは、彼が出せると予想される業績もまた、業界の平均をずっと上回るもので、彼の求める給料の高さを鑑みても、その100倍に値する程度の見返りが見込める程と考えられました。ですから会社としてもその給料を払うだけの価値はあるのです。そしてこの副社長は彼を雇うことを選びました

ところがここに首を突っ込み、副社長のリクエストを拒否したのが人事部です。その理由は、この男性の希望する給料が「業界の標準給料よりかなり高い」というのと、社の給与体系にも沿っていない、というものでした。そこでまた会社側は給与の相談をしようと試みたのですが、そのようなことをしている間に彼は去ってしまいました。彼にはこの会社以外に自分の価値を理解して自分が希望する給与を払ってくれる会社がある筈だという自信があり、実際、競争相手である企業に就職してしまったのです。

そのような事情から、この会社は2番手であった候補者を雇うこととなりました。彼の給与は業界の平均並みのものでしたが、同時に彼が出せた業績もまた、業界でまあよしとされる程度の平均的なものでした。人事はこの状況に満足でしたが、副社長にとっては逆でした。

人材は商品ではないし、少なくともそのように扱われるべきではない。人をそのように扱えば、あなたのビジネスに優秀な人材を引き寄せることなどできなくなる。 Click To Tweet

給料やビジネス業績といったものを見る際に、あなたの会社にとって大切なものはなんですか。

手放した後にやることとは

最初に述べた通り、ビジネスを育てるために最初にやるべきことは、手放すことです。ではその次のステップは何でしょうか。来週のブログには、何に取り掛かるかについて書きたいと思います。


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