スティーブンのブログ

Business person thinking

保守主義が問題なのではない

私は保守主義のことを、やるべきである変革やイノベーションに反対し、昔からのやり方に固執すること、と定義しています。企業における保守主義に立ち向かうには、まず相手に変わってもらうことにこだわったりせず、自分から大胆な行動を起こし、その結果にもしっかり対処することが必要です。人というものは、他人の考えに影響されて保守的になってしまうとは限りませんが、他人の態度を見て保守的になってしまうことはよくあることです。

少し前のことですが、ある有名なヨーロッパ企業日本支社のマーケティング部長から、彼女が温めていたビジネス成長のための大胆な戦略のアイディアのいくつかを聞かせていただきました。私にはその全てが検討に値するようなアイディアであると感じられましたので、社内で提案するべきだと言いました。ところが彼女によると、ヨーロッパ本社も日本支社もとにかく保守的なので、彼女のアイディアを承認してくれるどころか、考慮もしてもらえない可能性が大きいというのです。まず社内の人間がその保守的な考え方を変えてくれてからでないと、たとえ彼女が提案を行っても反対に合うだけだ、と彼女は信じていました。

しかしこの彼女の躊躇自体も、実はこの会社の慢性的な保守主義の表れなのです。恐らく社内で斬新なアイディアを持っている人々は、彼女の態度を見て、やはり彼女も保守的であると思っているでしょう。彼女は周りの人々を責めているわけですが、実は彼女自身もその問題の一部となっているのです。

また別の会社のCEOは、自分の会社のことを、無気力で考え方が保守的だ、と話してくれました。しかしこの会社は、無気力ではあるけれども、保守的ではありませんでした。私はここの役員や中間管理職の方々の何人かと話させて頂いたのですが、皆さん、私が想像していたよりはるかに大胆な考え方をする方ばかりでした。問題は、変革を起こすために大胆な行動を起こそうという人がひとりもいない、ということです。そして行動を起こせない理由として全員が挙げたのが、同僚達の保守的な考え方でした。

私がこのCEOにビジネスに関する大胆なアイディアのいくつかをシェアしたところ、彼もまたそれを実行に移すことに乗り気ではありませんでした。アイディア自体は気に入ってくれたのですが、それでも本社の役員にそれを提案することなど無理だと考えているようでした。彼は、保守的な本社の役員達にとってこのようなアイディアは斬新すぎる、と私に断言しました。そこで私が指摘させて頂いたのは、彼自身が上司に対して躊躇しているようでは、自分の部下に勇気ある態度を求めるなど現実的ではない、ということです。その後、このCEOから再び私に声がかかることはありませんでした。

保守主義とはいつでも相対的なものである。どこの企業でも独自のやり方というものがあり、それはかなり漸進的と考えられているような企業でも同じだ。 Click To Tweet

世界でも通用するクラスの斬新的と考えられているある企業の日本担当のCEOが、いかに社内での改革に対する反対意見が多いか、と私に話してくれたことがあります。この会社は一般にグローバルレベルでイノベーションの先頭を行っているとされているビジネスでしたので、このCEOの言葉には本当に驚かされました。

誰もが賛同してくれるようなものであれば、それは大胆なアイディアとは言えません。もしあなたの改革についてのアイディアに対し誰もが特に反対意見を持たないようであれば、それはそのアイディアがビジネスを本当に変えてしまうような大胆なものではなかったという可能性が高いでしょう。戦略に関するものでもそれ以外のものでも、本当に素晴らしい変革のアイディアとは、人々を賛成派と反対派の二つに分裂してしまうものです。感情的になって反対意見を述べる人もいれば、腕を組んで頭を縦に振り「そうだ、そろそろ潮時だ!」と賛成してくれる人もいるでしょう。優れたアイディアであれば、賛成であれ反対であれ、人々を興奮させるはずです。

あなたの成長や進歩はあなた自身が責任をとるべきことであり、他人に任せるようなものではありません。もしあなたの働く会社が社員の成長やビジネスの成長を阻んでいるような場合、あなたが取れる道は3つあります。我慢するか、自分への影響を省みず変革を起こそうとするか、会社を去るか。それ以外の道はありません。そして後の二つのオプションのみが有効なものです。

もしそれでも我慢するという選択をしたければあなたの勝手ですが、それは保守的な選択と言えます。その選択をすることで、他人の保守的な態度について文句を言う権利を放棄するわけですから。

つまり他人の保守主義があなたの抱える問題の根源になることは絶対ないのです。しかしあなた自身の保守的な考え方が、実は自分の悩みの根源であると言う可能性はかなりあります。そしてその確実な答えがわかるのは、あなただけなのです。


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