スティーブンのブログ

日本が企業問題の原因であることはない

本当の原因に対処すれば、ビジネス改革を加速させることができます。逆に問題を日本という国のせいにしてしまえば、いつまでたっても状況の改善は期待できません。

それはあなたにかかっているのです。

日本のどんなところが企業のあり方に影響を及ぼしているというのでしょうか。ある企業のマネージャーの方からは、以下のようなことを耳にしました。日本で働いた経験のある方なら、納得いただけることも多いかと思います。

• うちの会社が掲げている価値基準は、実際の姿とまるで反対である。

• どんなに頑張って働いても何も変わらないことがわかっているから、努力することに意味は感じられない。

• 極端にリスクを恐れている人ばかりだ。みんな、間違った決断をしたり、もっと始末が悪いことに自分の決断が間違っていると思われることに比べれば、そもそも決断など下さない方がいいと思っている。その結果、何も実行に移されない。なかなか進行しないことだらけだ。

• 働くのに一番いいのは、戦略を担当する部署である。彼らがやることは全てはっきりせず、締め切りもない。好きなことができる上に、責任も取らずにすむ。

• 会議で決断が下されることなどなく、大体の会議は無意味だ。私も会議中にはいつも新聞を読んでいる。

• どうして働くのか、その理由を聞かれたことがあるが、それに対する私の答えは、単に「給料がもらえるから」というもの。他にどんな理由があるだろうか。

• うちの会社では人が解雇されることなど不可能である。もし自分の部署に業績の上がらない社員がいたとしても、その人を解雇することは無理で、その代わりにできるのは、素晴らしい推薦状を書いて昇進させたり他の部署に移動させることのみである。そうすれば、他のマネージャーにお荷物をなすりつけることになるからである。その結果、仕事のできない社員は、リーダークラスのポジションを駆け上がることになってしまう傾向がある。

さていかがでしょうか。あなたもご自分のビジネスにおいて上記のような、あるいはそれに似たような体験したことがありませんか。このような会社の問題の根本的な原因は何だと思われますか。

日本のCEOの方々の集まりにおいて、私が上記の内容をシェアすることがあります。つい最近も、私が企画するCEOのための朝食会で同様の話をし、この会社の問題点はどこにあるか、という問いを投げかけてみました。出席されていたCEOには、日本人もそうでない方もいらっしゃいましたが、皆さんから様々な説明をしていただくことができました。例えば以下のようなものです。

1.「日本の教育システムに問題がある。我々は独自の意見を持つような教育を受けていないからだ。」

2. 「日本では面目を保つことが重要視されているので、みんな恥ずかしい思いをしたくないと感じている。」

3. 「日本社会では和が重んじられており、できるだけ争ったり対立したりすることを避けようとする。」

4. 「日本の雇用制度のせいである。就職活動の時期に新卒で採用され、退職するまで同じ会社に勤めることが当たり前とされているので、外部から中途採用される社員は本当に少ない。だから新しい考え方も社内に入ってこない。」

5. 「日本では、全員一致が重要視され、個人個人が責任をとる必要がない環境になっている。」

6. 「日本人は前例に基づいて行動することを好み、それと異なったことや新しいことにトライすることに抵抗するきらいがある。」

これらは、日本の文化や社会を厳しい目で見て理解しているとわかるような答えです。こういった理由に対しての解決方法などないでしょう。日本文化や社会を簡単に変えてしまうことなど、誰にだってできないのですから。

しかしこれらの答えには共通の問題点があります。

実は、この例に出したとんでもない会社とは、日本の会社ではないのです。これはパリに実在するフランスの会社の話だったのです。

 

上記の例は、コリーン・マイヤー氏がフランスの公益事業EDFで働いていた時の経験に基づいて書いたBonjour Paresseという本から拝借したものです。

あなたも日本企業で起こった問題が日本独特のものであり、その根本的な原因も日本という国にあると考えてしまうことはありませんか。例えば、「あのマネージャーは典型的な日本人だ。」とか、「うちの卸業者は保守的な日本企業だ。」、或いは「うちの社には、伝統的な日本のビジネスカルチャーがある。」などと言った経験はないでしょうか。

問題が起こった時、それを日本文化・社会のせいだと言ったり考えたりする癖は、なくすべきである。 Click To Tweet

日本のビジネスに起こる問題についてどのような考えを持っていても、その問題の根本的な理由が日本にあることは絶対にありません。いつだって、それは何か違う原因によるものです。そしてまたそれは、日本文化のように変えることができないものでもありません。リーダーであるあなたが変えられるものであり、実際、多くの日本のリーダーたちが変革に成功しているのです。


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