スティーブンのブログ

競争相手は無視すること

戦略を作成する際、競争相手がやっていることに焦点を合わせてしまうと、知らないうちに敵の土俵で戦わされてしまう結果となってしまいます。

本当に飛躍的な結果をもたらしてくれるような戦略を作りたいのであれば、競争相手のことなど忘れてしまいましょう。

自社の強みに基づいて市場と業界を定義した上で、自分たちのやり方で競争相手とやり合うのです。特に、比較的小さな企業が、既に力のある競争相手に挑んでいくのであれば、このことは大切になって来ます。

AIGジャパン・ホールディングス株式会社は、彼らのいう「アクティブ・ケア」を使って、まさにそれを行いました。日本生命などの現存大企業にまともにぶつかっていく代わりに、AIGは日本における保険に新しい意味を与えようとしています。ほとんどの保険ビジネスは、リスクが現実化した時の支払金に基づいていますが、AIGは更に何かが起こった時のための経済的な保証だけでなく、それ以前にリスクが現実化することを防ぐサービスを提供する企業であるといいうことを前面に出しています。自社の保有するリスクに関する膨大なデータのおかげで、AIGは、クライアントにどういった行動を変えるべきか、また望ましくない事態が起こらないようにするにはどうすればいいか、といった、先を見越したアドバイスをすることができるのです。例えばAIGジャパンは、大阪で家族や子供達のための楽しめるイベントを主催し、それを通してどうすれば自転車の安全な乗り方を教えています。大阪の自転車事故発生率は日本でもトップで、死者が出るケースも増えています。その為に、日本政府は大人用ばかりか子供用の保険にも自転車事故を入れることを条例化したのです。

それだけではありません。AIGの保険に対する信条とは、誰かがひどい事故にあったときに金銭を払うというだけでなく、顧客が最も望んでいることが、日本のテクノロジーやイノベーションを駆使し、生活のクォリティーを維持することだと常に覚えておくことも含まれます。2017年、AIGはまさにその為に、日本の人工頭脳学の先端を行く企業であるサイバーダイン社と提携しました。当時AIG保険グループのCEOであったボブ・ノディン氏は、サイバーダイン社の創立者かつCEOである山海嘉之氏と共にパートナーシップを確立することで、事故の犠牲者の方々に人工頭脳学テクノロジーを提供することを可能とし、単に保険金を払うだけではなく、生活クォリティーの維持を可能にしようとしたのです。

保険のように規制の厳しい業界では、ビジネス戦略はどれでも法律によって制限されてしまうと思われがちで、その為に劇的なイノベーションを起こすことには大して意味がなく、商品の内容に少しずつ変化を加えていくくらいのことしかできないと考えている人が殆どです。しかしAIGのリーダーたちは、規制に縛られた戦略ではなく、戦略から生まれる規制の方を重要視しました。AIGはまた、日本の消費者にとって一番良いのは変革であるが、現在の関係者の多くがやる気を起こさない事に失望を感じていた官僚達に積極的に働きかけていました。そしてそのような取締官たちは、AIGの大胆なアイディアに耳を傾けてくれたのです。

AIGジャパンは保険業界の革命児となり、業界の先導役ともなりました。古参の競合企業も、それについていくことはできません。つまりAIGは、競合企業が考えるやり方で競い合う代わりに、自分たちが作り出した市場で彼らに競争させることを余儀無くしたのです。それもAIGのやり方で。これはどのビジネスでもできることで、それができないなどという言い訳は通用しません。

「しかしうちの業界は特別だから、そんなことは無理だ。そのようなことを成功させるには、○○○(ここに入るのは様々な形容詞が考えられます)すぎる。」

これは言い訳です。ユニクロのブランドで知られるファーストリテイリングは、日本内外に衣料業界に革新をもたらしました。CEOの柳井正が会社を創設した時に、共謀協定がまかり通り、保守的だった業界において、そのような改革が簡単に行われたの思いますか。また本田技研工業の創業者で社長であった本田宗一郎氏が、当時の通産省から、車の製造は諦めてバイクのみの生産を行うように正式にガイダンス(実質は命令)を受けた時、それを無視することが容易にできたと思いますか。Uber社のCEO、ダラ・コスロシャヒ氏はつい先日来日し、安倍総理と直接会って、Uberの有名なビジネスモデルを日本でも実現可能とする為に、タクシー業界の規制改革を強く求めました。これらのビジネスリーダー達は、他人の土俵ではなく、自分たちで作り上げた土俵で相撲を取っているのがお分かりいただけると思います。

現状に波を立てる際に、積極的で大胆、かつ堂々とした態度でいることができれば、自分の縄張りでビジネスの勝負を挑むことが可能となる。 Click To Tweet

日本には、他にも新しい土俵を作り出すタイミングの来ている業界があるのではないでしょうか。いえ、そのタイミングの来ていない業界など存在するのでしょうか。例えば電通がその8割を牛耳っている広告、広報業界など、どうでしょう。

あなたの業界はいかがですか。


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