スティーブンのブログ

労働力が不足していてもビジネスを成長させる方法

ビジネスを成長させる方法は、今までと同じことをより多くやるか、提供する商品やサービス内容の価値を上げるかの2つしかない。

CEOの方々からよく聞く悩みに、市場には需要が存在しているのに、優れた人材を十分見つけられないせいでビジネスを伸ばすことができない、というのがある。しかし顧客に提供するものの価値を上げ、それに見合った値段を設定することでビジネスを成長させるという選択肢もあるのだから、殆どの企業にとって労働力不足など問題にはならない筈である。人を雇う代わりに必要となってくるのは現在のやり方を変えることと、必要であれば現在まだ利益を出している商品・サービスをも廃止できるだけの勇気を持つことである。

例えば種子製造会社であるVilmorin-MKS社は、最近、全体の売り上げの約半分を担い、高い利益も出していた農業用マテリアルの卸業ビジネスを廃止した。自社のコア・ビジネスである種苗、特に価値の高い独占所有権を持つ種苗に力を注ぐためである。結果、社の売り上げの半分を占めていたビジネスを廃止したにも関わらず、会社の業績は驚くほど伸びたのである。

人材不足がビジネスモデルの問題を見えなくさせてしまっているケースもしばしば見られるが、その唯一の解決方法も提供価値を上げることにある。日本の某グローバル広報会社は、クライアントからの需要に対し十分なサービスを提供できないような状態になっている。この会社にはクライアントの追加リクエストに応えられる有能なスタッフが足りず、また新たに雇用しようにもいい人材が見つからないのだ。

社のビジネスの殆どは、様々な企業のマーケティングや広報部からの広報の注文で成り立っていた。こういったサービスに対する需要の高さと新たな市場参入企業の増加のせいで、広報サービスは瞬く間に一般商品のように扱われるようになり、その価格も下落し始めている。

この会社のリーダーは、単なる広報サービスの提供より、ビジネス成果を上げるための広報戦略を開発、実行することの方により価値があることに気付き、そういった仕事を増やしていきたいと感じていた。しかし、高価値のサービスに投資することに興味を持つのはマーケティング部門の人々ではなく、高レベルの経営幹部である。広報会社のアカウント担当者はクライアントのマーケティング部門から言われたことを処理するのには慣れていても、シニアレベルのマネージャーとビジネスコンサルティング的な会話をすることは苦手であるため、結果そういった人々に積極的に働きかけることは避けてしまった。もちろんそのやり方を学ぶこともできただろうが、現在のクライアントからの問い合わせに対応するだけで十分忙しかったので、特に努力もしなかったし、CEOも現在のビジネスからの収入を手放すようなことはしたくなかったから、結局何も変わらなかったのである。

このCEOは、問題は人材不足にあると考えているが、本当の問題はビジネスモデルにあり、たとえ新しい人材を雇っても解決するものではない。アクセンチュアのようなコンサルティング会社が広告や広報といったエリアでも存在感を出し始めてきたが、コンサルティング会社のコンサルタントは広報会社のアカウント担当者とは異なり、経営幹部レベルの人々とビジネスに関する会話をすることに慣れているし、価値の高いユニークなサービスを提供している。またグーグルのような企業が広告事業だけでなく、クリエーティブやアドバイザリー、キャンペーン戦略といったサービスも提供するようになったら、広報業界に大きな影響が出るのは必至だ。この広報会社も何か変革を起こして成長を遂げなければ、どんどん縮小していく運命となるだろう。

あなたのビジネスは、どのようにして成長させたいだろうか。価値を上げることによってビジネスを成長させるという選択肢はいつでもあるのだから、ビジネスが伸びないのを労働力不足のせいにするべきではない。市場や労働力の変化にビジネスを振り回されることは酒、自分の運命は自分でコントロールして欲しい。


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