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生き残るためだけではなく、繁栄するためにすべき9つのこと

先週のことですが、私はビジネスリーダーが集まって経験、考え、アドバイスをシェアしあうためのCEO座談会を、東京で設けさせていただきました。そこで話し合われた事をもとに、ビジネスを率いる方々のための9つの事項を以下に書き出しました。これらは、現在の危機の中を生き残るだけでなく、さらに前進し繁栄したいと考えているリーダーの方々であれば必ず実行しなくてはならない事だと思います。

  1. 社員個人個人の安全をまず考えること。個人のリスクを理解する事は、ビジネスリスクを理解することよりずっと重要です。私の知り合いであるある駐在員マネージャーの場合は、もし自分が病気になったらどうすれば良いか、英語で利用できる医療サービスは受けられるのか、もし自分と夫が同時に病気になってしまったら子供の世話はどうすれば良いのか、といった不安に苛まれていました。まずは社員の心配事や不安から取り掛かって下さい。そうすれば、彼らもビジネスのニーズに関する手助けができるようになるのです。あなたの下で働くマネージャーの皆さんも部下に対して同様に対応するよう、徹底させて下さい。
  2. 顧客にとって価値のあるものを生み出すことに焦点を当てること。そうするために今までのやり方を変える必要があったとしても。危機イコール収入の減少、という考えは正しくありません。大切なのは、価値を生み出す方法を考える際に創造的、かつ敏感であることです。目標を達成するために同じ事をより多くやるだけでは足りません。今回の危機の最中でも、収入を維持、あるいは増加させたビジネスもあります。その中には贅沢品や必需品とはみなされないような商品を扱っているビジネスも含まれているのです。商品やサービスのカテゴリに対する需要が変化したり、商品を必要とするチャンネルがシフトしたというだけなのです。
  3. 販売の方法を変えて顧客の個人的リスクに対応すること。ある会社では、店舗の中に隔離されたポップアップ・ストアの概念を取り入れ、一度に顧客一人だけに対応し、次の顧客が入る前には消毒されるようなスペースを提供しています。小売業以外のビジネスのCEOの方々も、同様のコンセプトを取り入れることができるとおっしゃっていました。あなたのビジネスでも可能かもしれませんね。
  4. 顧客からの問い合わせを待つのではなく、企業側から顧客に連絡を取ること。あるCEOの企業では、小売店に来る顧客の数は減ったものの、購買率は上昇したのだそうです。この企業の商品は決して安いものではないというのに。今のような状況でも人々は物を必要とし、欲しがっています。あなたが提供する商品が本当に大好きな人々は買い続けるでしょう。しかし、彼らが買いに来てくれるのをただ待つのではなく、積極的に自分からコミュニケーションをし、彼らの需要に応えてあげるべきです。
  5. できる限り顧客にオンラインでの購入を勧めること。オンラインセールスを行なっている企業のCEOの方々は皆さん、オンラインセールスからの収入が上昇したと言っていました。(それが別チャンネルからの減収を埋めるだけの額かどうかは別ですが。)オンラインセールス、あるいは別のタイプのリモートチャンネルを既に持っている企業は、それが顧客対象であろうとビジネス対象であろうと、どんどん顧客にオンラインでの購入を勧めるべきです。顧客の中には、既に自然にリモートチャンネルに移行している人々がいます。今がチャンスなのです。あなたの会社も必要に応じてインフラの改善を行い、現状に対応して下さい。
  6. 特に良いと思われるオプションが存在しない時は尚更、迅速な決断を行うこと。東京オリンピックの延期など誰も望んでいませんでしたが、人々を不安に陥れたのは、延期そのものではなくその決断がなかなかされなかったことでした。延期というのは受け入れ難い決断ではありますが、一旦それがなされると、ビジネスもそれに基づいた予定を立てることができます。あなたのビジネスにおいてもたとえ受け入れ難いようなオプションしかない場合でも、あなたが決断を行えば、社員にもある程度先が見えてくるのです。マネージャーも自分の部下に対して同様に対応するよう、徹底させましょう。受け入れ難いオプションしかない時になかなか決断を下さないでいると、社員は余計不安になるばかりですから、そんな中でもしっかり決断を下す方が、ずっと良いのです。
  7. 会社の能力向上を図るのは今。社員の気が散っておらず毎日の仕事のやり方のオプションが少なくなっている今こそ、ビジネスと企業の能力の向上に取り掛かる最良のチャンスです。危機状況ほど柔軟性を生み出せる時はありません。マネージャーもスタッフも、在宅勤務をしながら協力するやり方を学ばなざるを得なくなっています。特にマネージャーは、オフィスで常にスタッフを監視できなくなった今、社員に結果を出す責任を負わせる方法を考えねばなりません。スタッフは上司からの指令や承認なしに、自分で考えイニシアチブをとる事を学ばなければいけなくなりましたし、また人事が世話をしてくれるトレーニングを受ける事なく、自分から新しいスキルを学ぶ必要が出てきました。在宅勤務の人々の殆どにとっては、フレックス制が現実のもととなりました。フレックス制と在宅勤務をうまく取り入れ、維持することができれば、この危機が過ぎ去ってもワーク・ライフ・バランスや生産性の向上が期待できます。危機の真っ只中でも繁栄するのに必要な能力は、問題のない状況において繁栄することと同様に重要です。今という時を無駄にしないで下さい。
  8. リーダーシップ権限を行使し、空白を埋めること。政府は意図的なアクションを取ること、或いはそれを取らないことで、国の環境を作り上げます。しかしあなたのビジネスにおいて環境を作り上げるのは、政府ではなくあなたです。政府からの指示や説明を待つのではなく、あなたのリーダーシップ権限を行使して下さい。海外にある本社からの指示に関しても同じことが言えます。外界で何が起こっていようとも、あなたの会社の環境をコントロールするのはあなたなのです。
  9. 生き残るだけでなく、繁栄に導くこと。現在の危機のせいでビジネスは必ず衰退し、ダメージを最小限に食い止めるために守りの体勢に入ることしかできない、というのは間違いです。かなり酷い不況の最中でも、成功するビジネスは必ずあるのです。大切なのはどのようにして素晴らしい価値を生み出せるかということに焦点を当てることです。いずれまた普通と思われる状況に戻るでしょうし、その日は一般に考えられているより早く訪れると思います。もしその「普通」が以前の普通と同じ物ではないとしても。

日本問題研究家にはなるべからず

日本の特異さを考えすぎることは実際良くあることで、あなたの将来、キャリアにも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。本社の役員たちに日本のユニークさを説明することはお勧めしません。それはディナーパーティーや学生たちとの会話、友人との戦争の思い出話などにはうってつけかもしれませんが、本社役員たちが個人的に日本問題研究に興味がある場合を除き、専門家が扱うべきことです。一般の役員であれば、そのような会話にイラつきを感じ、退屈なものと感じると思います。

あなたが一所懸命に本社役員たちに日本を説明すればするほど、彼らは耳を傾ける気をなくしていくでしょう。いくら重要だったり、正当なことを言っても、日本でビジネスをする価値があるのか、疑問に感じ始めるかもしれません。例えばこれが中国であれば、全てがもっとシンプルであり、問題も理解しやすく、それを解決する努力も早く報われることが多いですから。

では、日本についての知識が殆どなく、経験も全くないような本社役員たちに、日本のことを説得力を持って説明するには、どうすればよいのでしょうか。説明をしなければよいのです。

私の知っているヨーロッパに本社をおく会社の日本のCEOも、本社の役員達に日本について説明することの難しさを話してくれました。特に、ほかの国であれば問題のないようなことが、なぜ日本ではできないのか、と言った内容です。だいたい本社役員達は懐疑的になり、全然理解してくれません。日本特有の問題についての会話はうまくいかない、というのが普通なのです。

このCEOも、日本の営業スタッフがいかに保守的でリスクを恐るかを説明しようとしました。つまり営業スタッフは新しいビジネスを追い求めるより、オーダーが入ってくるのを待つ方を好むということです。彼らは新しいことを実践するのが遅く、ビジネス改善のためのアイディアを提案することは滅多になく、上司からの指示を待つのが普通なのです。

でも本当にそうでしょうか。そんなことを言えば、海外の役員達は呆れた顔をするでしょう。

どのような問題を解決しようとする場合でも、まず原因を特定しなくてはなりません。私は以前にも書きましたが、どのような問題であっても、「日本だから」ということが理由であることは決してありません。その理由はそれとは異なり、また、対処できる問題であることが多いのです。

もし上記のCEOが自分の直面している問題の原因に注意を向けていたならば、それに関する話し合いもより前向きなものとなった可能性が高いと思われます。例えばこのような会話になったのではないでしょうか。

スタッフと話していてわかったのですが、私の前任者は、経営とリーダーシップに関して私とはまるで異なるアプローチをしていたようです。彼は独裁的な傾向があったそうです。彼が命令することには、部下は必ず従うのが当たり前とされていたといいます。 シニアマネージャーでさえ、決定権は殆ど与えてられていませんでした。社員の昇格は年功序列制で、それは会社のルールというわけではなかったのですが、慣例となっていたのです。失敗がなく忍耐強い社員であれば、昇格し、給与も上がるようになっていました。業績や成功に対する報酬などありませんでした。しかし、失敗をしてしまうと、キャリアが危うくなってしまいます。ビジネスのために個人がイニシアチブをとることに利点はなく、単にリスクのみがあったのです。

原因がクリア、具体的で、わかりやすいですね。日本のことを全然知らない役員でも理解できる内容です。この後にはその影響についての説明が続きます。

私のスタッフにとっては、この会社が唯一の雇用主であり、それ以外での経験も持たないのです。その結果、彼らの多くは個人のイニシアチブや変革が自分たちのキャリアにとってのリスクであると感じさせられるようになっており、ビジネスのための新しいアイディアを積極的に創造するといった経験もありません。彼らは政府官僚主義者のように行動するのです。政府官僚主義とかつてのうちの会社の日本ビジネスとは類似点がありましたから。

この説明は理にかなっています。原因は日本ではないのですから、影響も日本とは無関係です。そして次には、あなたの考える解決策について話して下さい。

私が最初に行いたいのは、企業文化や行動様式を、他の国の支社のやり方に沿うように変革することです。スタッフやマネージャーの大半は、少しの手助けさえあれば、我々のやり方を学び、自分たちの行動様式を変えることができると、私は考えています。実際、スタッフの中にはすでにその変革を始める準備ができている者もおり、彼らが先導者になってくれると期待しています。もちろん中にはどうやっても変わらないようなスタッフも少しはいるでしょうし、彼らへの対応も考える必要があります。いかにここでの我々のビジネスを変革していくかについて、是非私の考えを聴いていただけないでしょうか。

違いがお分かりいただけましたでしょうか。こういうアプローチを取ることで、問題は具体的で説明できるものとなり、日本のせいなどとされていルものはありません。この例に挙げたような問題は日本の多くの企業で見られる、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、それがどうだというのでしょう。あなたは日本の社会経済問題の解決法を見出す責任を負わされた政治家でも学者でもないのです。

あなたの仕事は自分の率いる企業を改善することであり、それはどのようなときでも、非常に実行可能なことなのです。

それ以外のことは、日本問題研究家に任せるべきです。


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エンゲージメントサーベイの誤った使い方

従業員エンゲージメントという言葉をよく耳にするようになりましたが、リーダーが社員をエンゲージさせようとしてもそれは無理なことです。エンゲージメントとは、社員が自分から行わなければならないものだからです。リーダーにできるのは、それをやりやすくしてあげることだけです。しかしながら、エンゲージサーベイの結果を元にしてリーダーの能力について行き過ぎた判断がされたり、またその判断に基づいた決断がされたりするのを頻繁に耳にすることがあります。

エンゲージメントとは個人個人の性格から来るものです。あなたが望むビジネスの内容が社員の描くものと異なれば、あなたが何を言おうと行おうと、どうしてもエンゲージしない社員は出てきます。それは仕方ないことですが、そのような社員は他の会社に行くか異なったポジションについた方が良いかとも思われます。また、仕事上エンゲージしないだけではなく、単に人生そのものにまるでエンゲージしないような社員もいるでしょう。そのような状況をあなたが変えるのは無理なのです。

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mask

見当違いの恐怖心

実際のリスクとそのリスクの捉えられ方が一致する事は滅多にないことではありますが、企業のリーダーにとっては一致しなければならないものです。

この文章を書いている現時点で、大きな問題となっているコロナウイルスは、世界中からの感染件数が1万を超え(主に中国)、その数字が膨らんで行くのは確実です。確かに恐ろしい病原体であることには間違いありません。しかし、中国国外の人々の間でこのウイルスが呼び起こした恐怖心は理性的なものとは言えず、その態度の変化も理にかなっているとは思えません。

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あなたの最大の敵は

日本にあるアメリカ資本の大手事業会社のCEOから、某日本事業会社の部門から物を購入する際の困難さについて聞かされたことがあります。彼らが売る気に欠けているから困難であるというわけではなく、その部門の得意先である日本政府の調達ルールをパスするために作られた不必要かつ面倒な官僚的プロセスの為だそうです。この日本の売り手の企業における品質コントロールプロセスは、実用的ではなく、このアメリカ企業が必要と考えるものよりずっと厳しく、その上に、その為にかかる時間やコストは大きなものでした。いかに妥当でないと思われるプロセスであっても、それにちゃんと従うことが大切と考えられていたのです。

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confrontation

論争が行える環境を作ること

ビジネスにおいて社内の協力体制を改善するために、円満なコミュニケーションを促すのは間違っています。逆に論争が行えるような環境を整えておくことが大切です。

いつでも円満にいっている健全な組織など存在しません。建設的な不調和が存在するような状態が理想的なのです。どのような企業でも個人間、或いはグループ間に自然な葛藤のようなものは必ずありますし、意見の不一致を解決するためには論争を行うことが必要となります。

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権限とエンパワーメントとは同義語ではない

エンパワーメントとは、息をすることと同じく、何か普通ではないことが起きるまでその大切さをなかなか意識することはありません。ビジネスにおいて受動的になってしまうという徴候は、エンパワーメント不足が理由で起こることがもっとも多いのです。 Continue reading


責任を持たせること vs. 同意を得ること

マネージャーによっては、新しいやり方を取り入れることに不安を感じる人もいるようです。成功するための変革を経験したことのないマネージャーには特にその傾向があります。

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