まず変化に取り組んでから、企業文化を見直すこと

ご自分の企業において迅速な変革を起こしたいと思っていらっしゃるのであれば、文化的なことは後から考えましょう。それは自然と何とかなるものです。それより社内での新しいやり方にフォーカスすべきです。行動様式の変化は新しい企業文化を生み出すものであり、その逆ではありません。社員の行動を改革すれば、文化もそれについてくる筈です。

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問題を抱えない顧客へのアプローチ

見込み客が、苦労していることも、解決したいと感じている問題も特にない、という状態だったら、あなたはどうアプローチしますか。

ビジネスにおいてもビジネス外においても、新しいお付き合いを始める際に、問題点を勝手に推測するのは良くないことです。

少し前、ある企業の営業チームが潜在顧客とのミーティングでの質問のやり方を改善するお手伝いをさせていただく機会がありました。ロールプレイにおいて私が顧客の役をやった際、全員が全員、「何かお困りのことはおありでしょうか。」という趣旨の質問をしてきました。

私が「いいえ、特にこれといった問題はありません。」と答えると、これまた例外なく全員が狼狽し、言葉に窮していました。そして不自然な会話を少し続けてから引き下がり、また後で連絡するという約束をしてロールプレイを終わらせました。

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日本問題研究家にはなるべからず

日本の特異さを考えすぎることは実際良くあることで、あなたの将来、キャリアにも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。本社の役員たちに日本のユニークさを説明することはお勧めしません。それはディナーパーティーや学生たちとの会話、友人との戦争の思い出話などにはうってつけかもしれませんが、本社役員たちが個人的に日本問題研究に興味がある場合を除き、専門家が扱うべきことです。一般の役員であれば、そのような会話にイラつきを感じ、退屈なものと感じると思います。

あなたが一所懸命に本社役員たちに日本を説明すればするほど、彼らは耳を傾ける気をなくしていくでしょう。いくら重要だったり、正当なことを言っても、日本でビジネスをする価値があるのか、疑問に感じ始めるかもしれません。例えばこれが中国であれば、全てがもっとシンプルであり、問題も理解しやすく、それを解決する努力も早く報われることが多いですから。

では、日本についての知識が殆どなく、経験も全くないような本社役員たちに、日本のことを説得力を持って説明するには、どうすればよいのでしょうか。説明をしなければよいのです。

私の知っているヨーロッパに本社をおく会社の日本のCEOも、本社の役員達に日本について説明することの難しさを話してくれました。特に、ほかの国であれば問題のないようなことが、なぜ日本ではできないのか、と言った内容です。だいたい本社役員達は懐疑的になり、全然理解してくれません。日本特有の問題についての会話はうまくいかない、というのが普通なのです。

このCEOも、日本の営業スタッフがいかに保守的でリスクを恐るかを説明しようとしました。つまり営業スタッフは新しいビジネスを追い求めるより、オーダーが入ってくるのを待つ方を好むということです。彼らは新しいことを実践するのが遅く、ビジネス改善のためのアイディアを提案することは滅多になく、上司からの指示を待つのが普通なのです。

でも本当にそうでしょうか。そんなことを言えば、海外の役員達は呆れた顔をするでしょう。

どのような問題を解決しようとする場合でも、まず原因を特定しなくてはなりません。私は以前にも書きましたが、どのような問題であっても、「日本だから」ということが理由であることは決してありません。その理由はそれとは異なり、また、対処できる問題であることが多いのです。

もし上記のCEOが自分の直面している問題の原因に注意を向けていたならば、それに関する話し合いもより前向きなものとなった可能性が高いと思われます。例えばこのような会話になったのではないでしょうか。

スタッフと話していてわかったのですが、私の前任者は、経営とリーダーシップに関して私とはまるで異なるアプローチをしていたようです。彼は独裁的な傾向があったそうです。彼が命令することには、部下は必ず従うのが当たり前とされていたといいます。 シニアマネージャーでさえ、決定権は殆ど与えてられていませんでした。社員の昇格は年功序列制で、それは会社のルールというわけではなかったのですが、慣例となっていたのです。失敗がなく忍耐強い社員であれば、昇格し、給与も上がるようになっていました。業績や成功に対する報酬などありませんでした。しかし、失敗をしてしまうと、キャリアが危うくなってしまいます。ビジネスのために個人がイニシアチブをとることに利点はなく、単にリスクのみがあったのです。

原因がクリア、具体的で、わかりやすいですね。日本のことを全然知らない役員でも理解できる内容です。この後にはその影響についての説明が続きます。

私のスタッフにとっては、この会社が唯一の雇用主であり、それ以外での経験も持たないのです。その結果、彼らの多くは個人のイニシアチブや変革が自分たちのキャリアにとってのリスクであると感じさせられるようになっており、ビジネスのための新しいアイディアを積極的に創造するといった経験もありません。彼らは政府官僚主義者のように行動するのです。政府官僚主義とかつてのうちの会社の日本ビジネスとは類似点がありましたから。

この説明は理にかなっています。原因は日本ではないのですから、影響も日本とは無関係です。そして次には、あなたの考える解決策について話して下さい。

私が最初に行いたいのは、企業文化や行動様式を、他の国の支社のやり方に沿うように変革することです。スタッフやマネージャーの大半は、少しの手助けさえあれば、我々のやり方を学び、自分たちの行動様式を変えることができると、私は考えています。実際、スタッフの中にはすでにその変革を始める準備ができている者もおり、彼らが先導者になってくれると期待しています。もちろん中にはどうやっても変わらないようなスタッフも少しはいるでしょうし、彼らへの対応も考える必要があります。いかにここでの我々のビジネスを変革していくかについて、是非私の考えを聴いていただけないでしょうか。

違いがお分かりいただけましたでしょうか。こういうアプローチを取ることで、問題は具体的で説明できるものとなり、日本のせいなどとされていルものはありません。この例に挙げたような問題は日本の多くの企業で見られる、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、それがどうだというのでしょう。あなたは日本の社会経済問題の解決法を見出す責任を負わされた政治家でも学者でもないのです。

あなたの仕事は自分の率いる企業を改善することであり、それはどのようなときでも、非常に実行可能なことなのです。

それ以外のことは、日本問題研究家に任せるべきです。


あなたの最大の敵は

日本にあるアメリカ資本の大手事業会社のCEOから、某日本事業会社の部門から物を購入する際の困難さについて聞かされたことがあります。彼らが売る気に欠けているから困難であるというわけではなく、その部門の得意先である日本政府の調達ルールをパスするために作られた不必要かつ面倒な官僚的プロセスの為だそうです。この日本の売り手の企業における品質コントロールプロセスは、実用的ではなく、このアメリカ企業が必要と考えるものよりずっと厳しく、その上に、その為にかかる時間やコストは大きなものでした。いかに妥当でないと思われるプロセスであっても、それにちゃんと従うことが大切と考えられていたのです。

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confrontation

論争が行える環境を作ること

ビジネスにおいて社内の協力体制を改善するために、円満なコミュニケーションを促すのは間違っています。逆に論争が行えるような環境を整えておくことが大切です。

いつでも円満にいっている健全な組織など存在しません。建設的な不調和が存在するような状態が理想的なのです。どのような企業でも個人間、或いはグループ間に自然な葛藤のようなものは必ずありますし、意見の不一致を解決するためには論争を行うことが必要となります。

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権限とエンパワーメントとは同義語ではない

エンパワーメントとは、息をすることと同じく、何か普通ではないことが起きるまでその大切さをなかなか意識することはありません。ビジネスにおいて受動的になってしまうという徴候は、エンパワーメント不足が理由で起こることがもっとも多いのです。 Continue reading


責任を持たせること vs. 同意を得ること

マネージャーによっては、新しいやり方を取り入れることに不安を感じる人もいるようです。成功するための変革を経験したことのないマネージャーには特にその傾向があります。

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戦略作成では、まず譲れない部分を明確にする事

市場、状況に関わらず、どのビジネスにも複数の戦略方向のオプションが存在するものです。企業のリーダーにとって、自分のビジョンをちゃんと説明せずとも、自分のチームがそれに沿った戦略方向性を提示してくれることができれば最高ですね。

しかし、そのようなことが自然と起こる事は実際にはまずありません。

最適な戦略が一つしか存在しないなどということはないのです。そこで自分のビジネスにおける優先順位をもとに理想的な戦略方向を選択するのは、リーダーの役目です。

「 チームには、戦略開発に自分たちも参加していることを感じてもらいから、私のビジョンを説明し強制するような事はしたくない。そんな事をすれば、彼らは責任を感じずやる気も減ってしまうと思う。」といった事を、何人かのビジネスリーダーから聞いたことがあります。彼らはつまり、「君の意見など聞く気はない。」と言ってのけるような独裁者上司だと思われたくないのです。

このような心配に意味があることなど殆どありません。戦略開発に協力することを依頼する前にまず自分が求めていることを説明したからと言って、それがチームをないがしろにしているということにはならないのです。逆にそれを達成するための助けをチームにお願いしているのですから。

戦略開発の際には必ず、まずその出発点を明確にしましょう。絶対に譲歩できないものは何ですか。そしてチームの助けを得ながら変えていきたいものは何でしょうか。ここで大切なのは、その目的が有効であるかどうかではなく、ある目的を達成するために変更するべき事について話し合うのだということを明言することです。

私のクライアントである某CEOは、譲れない事項として、戦略に沿わない商品ラインの取り扱い中止を決定しました。そのアイディアに反対するマネージャーもいましたが、CEOはその決定を翻すことはなく、 その実行方法についての助けをマネージャー達に求めました。つまり、その時点で既に商品ラインの取扱を中止するかどうかという事は決定事項となっていた訳です。また他のあるCEOは、 単に顧客からの注文を待つ営業ではなく、もっと積極的にビジネス開発を行うことを要求しました。そしてそれを可能にする能力を伸ばし、営業、マーケティングなどのプロセスを変更することに関する助けをチームに求めたのです。

だからといって、ビジネスのビジョンを開発したり、ハイレベルにおける戦略目的を定義する際に、チームの関与を求めてはいけない、という訳ではありません。あなたが望むのであればそうしてもいいですし、実際多くのリーダー達も実際に行なっている事です。しかし、ビジョンを自分だけで決定することにも何の問題もありません 。

それはリーダーの特権なのです。

ビジネスの現状や機会を鑑みれば、特にビジョンの説明をしなくとも、チームもあなたと同じ結論に行き着くはずだと期待するのは、非現実的と言えます。さらに大切なのは、自分には譲れない部分があるにも関わらず、単にチームに戦略ビジョンに関わってもらっている気分になってもらうためにその作成を依頼しているふりをする事は不誠実だということです。

そういうことをすると、必ず後で痛い目を見るものです。戦略作成依頼を受ける以前から、実はあなたによる決定済みの事項があったなどと後から知れば、チームの面々はバカにされたかのように思うでしょう。更に、自分達の時間と努力が無駄にされた、あなたの上っ面しか見えていなかった、かなりちっぽけな存在と見られていた、などと感じるかもしれません。

戦略開発においては、どのようにチームに関わってもらいたい場合でも、常に正直であるのが重要です。

リーダーとしての特権を使えば彼らのやる気を削いでしまうかもしれない、などと心配する必要はない。 Click To Tweet

最初に絶対譲れない事ははっきりさせ、その理由も説明しましょう。例え彼らが「自分であれば違った結論にたどり着く」と感じていたとしても、まずあなたの根拠も理解してもらい、そこで初めて彼らの助けを求めて下さい。

自分の下のマネージャーを尊敬し、その助けを求めてくるような正直なリーダーほど、スタッフをやる気にさせる人はいないのです。