フランス商工会議所

先週、私は正式にフランス商工会議所の賛助会員となりました。これは、商工会議所のベルナール・デルマス会頭より、認定証を頂いた時の写真です。

賛助会員とは普通の正会員に比べ、より様々な特典を伴う、最高レベルのものです。

去年の頭に初めてフランス商工会議所に入った時は、普通の正会員でした。それが1週間もしないうちに、商工会からの紹介で、フランスの会社の日本支社で社長を務めていらっしゃるフランス人の方から連絡があり、彼、そして彼の会社は、その後、私の最高のクライアントの一つとなったのです。その上、その会社のフランス本社の社長の方からも私に仕事を任せていただけるようになり、私がフランスに出張して、本社のチームとプロジェクトに取り組むこともありました。

フランス商工会議所の方々は、自分たちに比べ大規模なアメリカ商工会議所より劣っているように感じる傾向があります。メンバーに対して素晴らしい価値を提供しているということを十分把握していないのか、フランス人や日本人以外の人たちに入会を勧めることもないようです。彼らが主催するイベントの半数以上は英語で行われているにも関わらず、そのウェブサイトはフランス語と日本語のみで、英語バージョンは存在しません。同時にアメリカ商工会議所のメンバーの多くは、他の商工会議所には目も向けず、複数の商工会議所のメンバーになる価値を見逃しています。

私が毎年フランス商工会議所とアメリカ商工会議所のイベント等に参加したことから発生したビジネスからの収入は、何十万ドルにものぼります。商工会議所に払う会費を考えると、とんでもなく高い投資利益率ですね。他にこのような投資利益率を見込める場所があるでしょうか。

ひょっとしてあなたも間違った思い込みのせいで、価値のあるものを見落としてはいませんか。見落とされているようなところには、しばしば大きなチャンスが隠れているものです。目の前にある価値に全然気づいていないせいで、その価値を顧客に提供し損ねている、というケースもあるかもしれませんね。


拒否の代わりに推し進める方向で

私のクライアントである社長の方から、ある悩みについてのアドバイスを求められたことがあります。なんでも本社から来年の営業目標を飛躍的に上げるよう、圧力をかけられているとのこと。これまで彼は毎年、国外のどのグループ会社よりも速いペースでビジネスを成長させてきました。それを見た上司からさらに高い要求が来たというわけです。(他のクライアントの多くからも、同様の話は耳にします。)

「その目標というのがかなり高いもので、私もそれが達成できるかどうか不安なんです。私のチームのやる気を削ぐことも、失敗するのも嫌です。やはり上司には無理だと言った方がいいんでしょうか。」というのが彼の質問でした。

それに対しての私の答えはこうです。「いえ、それは推し進めるべきです。断ってはいけません。」

「え、どういう意味ですか。」と彼に聞かれましたので、以下のように説明しました。

まるっきり不可能なこと、というのは実際のところありません。かなり高い目標であっても、往々にしてそれを達成するやり方というのはあるものです。やり方、時間、費用、人材、そしてあなたのリスクに対する許容度を考慮すれば。私の言う「推し進める」とはこのやり方や人材の変更、関連するリスク、そしてどうすればそのリスクを回避できるかを考慮に入れた上で目標を達成するためのオプションを話し合うということなのです。こういった話し合いをすることなしに、提案された目標を即座に拒否することには何のメリットもありません。共にビジネス上合理的と思われる結論を導くことこそ大事なことなのです。

例えばあなたが来年の業績を倍にするように指示されたとしましょう。それを無理だと拒否する代わりに、以下のような提案をすることができると思いませんか。

  • 他社を買収する。
  • 営業スタッフを増やし、現在のセールスエリア外の関西もターゲットとする。
  • 高価値商品の値段を上げる一方で、ありふれた一般商品の生産、販売をやめ、最も価値の高いものに営業焦点を当てる。

どのオプションにもリスクはついてきます。例えば、高価値商品の値段を上げれば顧客から文句が出る可能性があります。いくら値段を上げるかをうまく決めないと、損失が出る恐れもあります。営業チームが一般商品の販売中止に反対するといったこともあるかもしれません。また、一般商品であれば値段と納入時期さえ把握しておけば営業ができていたのに、高価値製品となると、顧客のビジネスの理解など、より複雑な営業能力が必要とされ、現在の営業チームでは対応できないなどという場合もあるでしょう。

それぞれのオプションには、投資の必要性もあります。高価値商品の値段を上げるとなると、営業チームの能力を上げることが必要となってくるかもしれません。そうすると、営業スタッフの教育や、すでに必要なスキルセットを持っている新営業社員を雇うために時間や費用を費やすことになってきます。

オプションのどれかを採用するか、現状維持をするか、他の可能性を探してみるかを決定するためには、まず目の前のオプションと関連するリスクと必要な投資について合理的な話し合いをしなければなりません。

ビジネスを導き、伸ばすためには、このやり方のほうが格段に効果的です。同時にオプションを示すことで、あなたも優れたビジネス感覚を兼ね備えた積極的なビジネスリーダーとして上司の目に映るでしょう。もしあなたが上司であれば、自分の部下に業績を上げるよう求めたら、あなたもこのような返事をもらいたいと思いませんか。

あなたは上司からプレッシャーを感じたら、それを拒否していますか。もしそうであれば、今度は推し進めてみましょう。そしてそれがどのような結果となるか観察して下さい。


ゴディバ ジャパン社長ジェローム・シュシャン氏 ビジネスにおける「正射一中」

去る2月9日に東京アメリカンクラブで、私主催のイベント、”Conversation with…”が行われました。日本で活躍し、注目されているCEOの方々をステージ上でインタビューするこのシリーズも、これで6回目。今回は、ゴディバジャパンの社長、ジェローム・シュシャン氏をゲストにお招きしました。ジェロームは最近日本語で出版した「ターゲット」という本の中で、ゴディバジャパンがどうやって5年間でセールスを倍増することに成功したかを語っています。

ジェロームは、日本の弓道に造詣が深く、武道の考え方をビジネスに当てはめてきました。例えば、西洋のアーチェリーの試合では、単に的の近くを射ることができるかどうかが点数に影響してきますが、弓道では、的を射られるかどうかだけでなく、弓を放つ時の姿勢も採点の要素となります。これは弓道では「正射必中」と呼ばれています。

正しい姿勢なしで的を射ることができたとしても、将来、同様に成功し続けることができるとは思われません。ですから正しい姿勢が重要視される訳です。これをビジネスに置き換えてみましょう。姿勢の正しさの代わりに、目先のことだけを考えている会社がどれだけ多いことか。今期の目標を達成するために、会社のトップが、社員の能力を伸ばすことや、広告、マーケティング、イノベーション、研究開発、市場開拓のための出張、機材のメンテナンス、職場環境を良くすることなどに投資をしてさえいれば、それだけでその会社は成功していると言えるでしょうか。

ジェロームによると、目標達成は正しい姿勢の結果であって、それ自体がゴールではありません。弓道と同じく、目標達成から集中を削がれてしまうと、姿勢は崩れ、目標にはたどり着けません。ターゲットばかりを見る代わりに、姿勢を常に正しくすることに焦点を合わせていれば、自然に目標を達成できるのです。これこそが、ゴディバジャパンの成功の一因なのです。あなたのビジネスにも当てはまると思いませんか。