ダイエット・減量とスポーツ選手の考え方から学ぶ、持続的ビジネス改善について

急速に体重を落としたい人の為のダイエット方法は多く存在します。例えばアトキンズ、ビバリーヒルズ、スロー・カーブ、スザンヌ・サマーズ、パレオといったダイエット法は有名ですね。ズルすることなく忠実に実行すれば、これらの中のどのダイエット法を行っても、体重を減らすことができます。つまりどれも減量には効果的ではあるのです。しかし見方を変えれば、どれも効果がないとも言えます。

減量自体には問題はありません。問題は、減量効果を持続できるかどうか、という点にあります。こういったダイエット法で体重を落とした人の内、その90パーセントは結局体重が戻ってしまうのです。更に怖いのは、これらのダイエットですぐに落ちるのは脂肪だけではなく、筋力も落ちてしまうというところ。ですから、体重がもとに戻ってしまった時点では、実はダイエット前よりひどい状態になっている、という可能性もあるのです。

ビジネスの世界でも、シンプルなルールやメゾッドに従えば結果が出せる、といったダイエット的なやり方が流行ることがあります。ダイエットと同じく、「リーン」や「バランスド」などといった名前がつけられていたりもします。空手の帯のように帯の色を使って達成度のレベルを図るものさえあります。それらはダイエットと同様に、流行ったと思えば瞬く間に廃れているように思われます。

ダイエットに効果がないのと同じく、これらのビジネスダイエットも効果があるようで、実はないと言えます。しっかり実行すればビジネスの改善は見られるのですが、しばしばその成功は長続きせず、社内でのやる気もだんだん失せていくのです。ビジネスの「筋力」も失われ、人、リソース、焦点が弱り、業績も落ちていきます。あなたにも、ビジネスダイエットの結果、会社の筋力が衰え、ダイエット前の状態にさえ戻れなかった、という経験はありませんか。

私はここのところダイエットについていろいろ考えさせられています。数ヶ月前の私の体重は210ポンド(95キロ)で、体脂肪率は30%そこそこでした。太り気味どころか肥満ぎりぎりの線で、引張し過ぎで心臓病の恐れが出るラインにも近いと言われました。その後、40ポンド(18キロ)の減量に成功し、今では17%以下の体脂肪率を維持、それ以外の数値も健康と言われる範囲内に落ち着いています。

もちろんこの結果は喜ばしい限りですが、まだ安心するわけにはいきません。体重がもとに戻ってしまう恐れがあるからです。私は体重のリバウンドを経験する90%組ではなく、残りの10%に確実に入りたいと思っています。では90%組と10%組を分けてしまう要因は一体何なのでしょうか。

私もいろいろ調べてみましたが、どうもそれは考え方を変える、というところにあるようです。10%組はスポーツ選手のように考え、行動をしています。減量とはゴールではなく、スポーツをする際の能力を高め、またスポーツを十分に楽しむ為の手段と見ている訳です。減量の為にスポーツを始めた人々の多くは、結果、そのスポーツそのものを楽しみ始めたことに気づきます。なかでもこの10%組に属する人々は、マラソンなどの競技会に参加するようになることもしばしばです。結果、そのスポーツのチャンピオンになってしまう人までいるくらいです。トライアスロンのナターシャ・バッドマンもそんな10%組の一人で、もともと減量の為に始めたマラソン、水泳、サイクリングが楽しくなり、今ではハワイのアイアンマンワールドチャンピオンシップの六連覇王者として知られるようになりました。

このスポーツ選手の考え方は、ビジネスにも当てはめることができるでしょうか。

私のあるクライアントの会社は、戦略開発とマネージメントについて、「フィットネス」の問題を抱えていました。そこで私は上に挙げた減量プログラム的な改善方法を取り込んでもらいました。その結果改善も見られましたが、筋力も少し失われてしまいました。その問題によっては長くかかるものもありました。しかし最終的には、この会社は筋力を取り戻し、業績レベルも全体的にアップ。そこで私はさらに業績を上げる時期であると告げました。

「え、もうこれで終わりではないんですか。まだ何かやることがあるのでしょうか。」と驚いた声で私に言ったのは、その会社の代理人のひとり。90%組の人々ははこのような考え方なのですね。業績をさらにあげることは可能なのです。スポーツ選手であればわかっていることなのですが。

この会社のリーダーは幸運なことに戦略の可能性に関してスポーツ選手的な考え方ができるようになっていた方で、進んで私の提案を受け容れてくれました。会社がそれまでに達成できたことに喜んでおり、さらに次のレベルに進みたいと思ってくれたのです。このリーダーはまた走ることが大好きで、常時マラソン大会に参加しているというのにも納得がいきます。

さて、私はというと、やはり10%組に属します。今年、私が住んでいる町ではハーフマラソンが開催される予定なのですが、私もそれに参加しようと思っています。毎日運動をするのも楽しみになり、さらに強く、早くなり、持久力がついてきたのも嬉しくて仕方ありません。そこから焦点をずらさない限り、私の体重も自然に最良のレベルに落ち着いてくれると信じています。