変化を拒む日本の組織に改革をもたらすには

組織を改革するには、いくつものポイントがあります。中でも特に日本の企業(外資系も含め)に当てはまるものには、以下のようなものがあります。

1. 調理台スペースを作ること

私は料理をするのが好きなのですが、料理をするといつでも調理台の狭さに困ります。特にこれは、一つ目から二つ目の料理へと移る時に感じることです。一つ目の料理が調理台に置かれている状態で簡単に次の料理にとりかかることは、私にはなかなかできません。私特有のご馳走を作り上げるには、まずある程度のスペースを空ける必要があるのです。

組織改革もそれに似ています。欧米の企業に比べ、色々な意味でのスペースがごたごたしている傾向にあります。それは、日本企業がうわべだけの終身雇用制を採用し、同調、妥協、そして極端な保守主義の大切さなどを必要以上に重要視しているからでしょう。

新たな変化をもたらそうとする時には、まず、そんなごたごたを整理してからにしましょう。企業の場合、それは何を切り捨て、またそれを躊躇することなく行う、ということです。例えば、もう売り上げが伸びなくなったビジネスのエリアや、時代遅れになってしまった会社ブランド、意味をなさなくなってしまった考え方や仮説、もう新しく学ぶことなどないと考えている企業のトップなど。がらくたは捨ててしまいましょう。

2. 考えることを大切にするプロセスを会社の下層部まで浸透させること

大体の企業では、その層の下の方に行くに従って、プロセス主導の考え方に縛られている様子が見受けられます。プロセス主導の考え方においては、決まった事をこなすことが各々の仕事であると理解されています。そしてうまく仕事をやるというのは、すなわち、結果に関係なく、従順にプロセスに従うこととされ、これは日本企業での深刻な問題と言えます。

考えることを大切にするプロセスというのはこの反対です。社員は望ましい結果を出すためにどうすれば良いかを自分で決める権力を与えられています。そこで良い評価を受けるのは、その望ましい結果を出すために自主的にとるアクションなのです。例を挙げると、例えば顧客からのクレームの対応を顧客サービスマニュアル通りに行うのは、プロセス主導の考え。逆に、苦情処理を予算以内でさえ行えるなら、担当社員に自分で判断させ、対応を委ねる権限を与える、というのは、考えるさせることを大切にしているというわけです。

下層に行くに従い、個人に考させることをより重視しているような会社ほど、ダイナミックで、変化にもうまく順応できるものです。このブログ記事をご参考ください。

3. 戦略的なことだけでなく、非戦略的な場面でも自社の価値観を当てはめること

私の知人に、日本のエレベーター製造会社の社長を勤める方がいらっしゃいます。もちろん特にテストや検査においては、安全性を最重要視することが会社の基本であるというのはおわかりでしょう。これはビジネスの戦略的な面です。しかしながらこうした姿勢は、別の場面でもみられます。習慣となっている社内会議においても、まず最初の議題は安全性の確認で、今後は、社外の人々とのミーティングも同様に進めることを検討中だそうです。全員が非常出口の場所と、火災や大きな地震の際の対応法を理解している確認をするのは、たった1分程度しかかかりません。

これをやりすぎと見る方もいらっしゃるかもしれません。ですが、もし自社スタッフが安全性の大切さを本当に理解しそれを体現してもらうためには、全員例外なく、こうすることが最短の道です。特に日本では、顧客や取引先に対し、自分たちが掲げる価値観を、真剣に捉えているという印象を強く残すことにもなります。

4. 過去の失敗も受け容れること

日本人は、失敗という言葉に非常に感情的、社会的な意味を持たせる傾向がありますので、これは多分一番やりづらいことではないでしょうか。日本には切腹というものがかつて存在し、日本語の「引責」という言葉には、多国語には見られないほどの深刻さが伴うことを考えれば、ご理解頂けると思います。

それにもかかわらず、日本でもどこの国でも、成功には失敗がつきもの、という事実は不変です。失敗はとりかえしのつかないものではなく、そこから学ぶべきもの、と見ることができる人たちだけが、成長できるのです。

これは企業でも同じこと。例えば私の知っているある会社の商品が、大変深刻で注目も浴びるような事故を起こしたことがあります。この「失敗」は当時在籍していた社員たちに大きな影響を与えました。誰もがその話題には触れたがりませんでしたが、そのことが全員の心に重くのしかかっているのは明らかでした。その失敗について話さないからといって、それが消えて無くなるわけではもちろんなく、実際、全員そろって自信の消滅と、罪悪感は、会社の再成長を妨げていました。

この会社もやっと最近になって自社の失敗を受け容れられるようになってきました。この経験から、業界でも他に類を見ないほど安全を提唱し、現存の基準や習わしを改善しようとする会社へと生まれ変わりつつあります。そうすることで失うものはありませんし、またそのトピックに関しては他者を追い抜き、リーダー的な存在となり、無くしかけていた会社のプライドを取り戻すことも可能な状況です。

上に述べたことは、新たな成功を求める私のクライアントにとって役立ってきました。あなたの会社では、どのようにこれらのポイントを導入できるか、考えてみてください。また、今すぐ取り入れられるものはどれですか。そしてどうやれば実行できるでしょう。

とにかく頑なな日本企業でも、変化を起こすことは可能なのです。